敷地面積1万3600ヘクタール、全米一の規模を誇るデンバー国際空港秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/4 ページ)

» 2014年04月11日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

広大な敷地に計12本まで滑走路を増設

 現在のデンバー国際空港が誕生したのは1995年2月。開港してまだ10年にも満たない。

 「もともとはロッキー山脈のふもと近くに空港があったんですよ」と、コールさんが説明する。「しかし以前の空港は地理的に風の影響を受けやすかったことから、現在の新しい空港が建設されました」

 長方形の地形のほぼ中央にロッキー山脈が縦断するコロラド州。州都デンバーはそのすぐ東側に位置し、旧空港も山のふもとに広がっていた。西からの風がロッキー山脈に突き当たると、空気が上昇して雲をつくる。旧空港ではそこからときおり強風が吹き下ろし、航空機の発着がとても難しい空港の1つと言われていた。そこで1995年、ふもとから東に約30キロ離れた現在の地点に新しい国際空港が建設されたのである。

飛行機と空と旅 広い空港内を時間をかけて案内してくれた広報ディレクターのローラ・コールさん

 空港移転はもちろん、風の影響を排除することだけが目的だったわけではない。将来の旅客需要の伸びを考慮し、より広い土地を求めて移設場所が決まった。コールさんは説明を続ける。

 「利用者数は年々増え続け、2012年は年間で5320万人がデンバー空港から国内外へ飛び立ちました。海外からの新路線も開設され、またデンバーは米国のほぼ中央部に位置することから、各地への乗り継ぎポイントとして今後も大きな需要増が見込まれます。現在は6本の滑走路を供用していますが、敷地内にはあと6本──計12本まで増設できるよう設計されているんですよ」

飛行機と空と旅 1万3600ヘクタールの敷地には計12本まで滑走路の増設が可能だ

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