続いてターミナル内を案内された。これだけ大規模な空港でありならが、ターミナルは中央に1つあるだけ。動線はここに集約され、チェックイン手続きとセキュリティチェックを通過した乗客はターミナルからA、B、Cのいずれかのコンコースへ無人電車で向かうことになる。
直線を多用したレイアウトは分かりやすく、迷う心配はまずないが、何かあればターミナルのあちこちにあるインフォメーションを訪ねるといい。カウボーイハットをかぶった陽気な係員たちが、どんなことにも親切に対応してくれるはずだ。
時間に余裕がある人は、テラスに配置されたミュージアム見学もおすすめである。デンバー国際空港のターミナルは「ジェプセン・ターミナル」の愛称で呼ばれているが、ジェプセンとはかつて自らパイロットとして航法チャートやマニュアルを開発した人。ミュージアムには当時の航法マニュアルほか、彼の功績と歴史を伝える貴重な品々が展示されている。
ターミナルやコンコースには約150のショップやレストランが営業を続け、賑やかだ。ひととおりの空港取材を終えた私たちは、ビアレストラン「Rock Bottom」へ向かった。デンバーには、ロッキー山脈から湧き出る新鮮な水を利用した地ビール醸造所があちこちにある。ビール生産量は全米で第1位。成田への帰国便(ユナイテッド航空139便)の出発時間まで、私たちは出来立ての新鮮な地ビールを飲みながら待つことにした。
作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各メディアにリポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活動。
著書に『ボーイング787まるごと解説』『ボーイング777機長まるごと体験』『みんなが知りたい旅客機の疑問50』『もっと知りたい旅客機の疑問50』『みんなが知りたい空港の疑問50』『エアバスA380まるごと解説』(以上ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)、『新いますぐ飛行機に乗りたくなる本』(NNA)など。
Blog『雲の上の書斎から』は多くの旅行ファン、航空ファンのほかエアライン関係者やマスコミ関係者にも支持を集めている。
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