シートと機内食に見るファーストクラスのニュートレンド秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/3 ページ)

» 2014年05月30日 10時30分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

最善のサービスで“食”のシーンを演出

 機内食についてはどうか? よく「ファーストクラスの機内食のトレンドは?」と聞かれて、答えに詰まってしまうことがある。もやは「トレンド」といった視点では語れないほどこのクラスの食事は豪華で、各社とも提供できる最善のサービスを用意して利用者に応えているからだ。

 高級なシャンパンやプレミアムワインなどの食前酒で始まり、前菜、そしてメイン料理をそれぞれ5、6種類から選択。メイン料理は日本のエアラインなら和食に、外資系は各国のご当地グルメに力を入れている。もちろんそれ以外の料理もクオリティに遜色(そんしょく)がない。ご覧の写真は、JALのファーストクラスで提供される洋食メニューの一例である。

飛行機と空と旅 スターシェフと料理プロデューサーで結成したドリームチームによるJALのファーストクラスの機内食例(提供:JAL)

 一人ひとり違う要望にパーソナルに応えてくれるのも、このクラスの特徴である。決まった時間に全員に提供するのではなく、多くのエアラインが「好きなときに、好きなものを」とフレキシブルなサービス体制をとっている。

 ところが、それほどの“もてなし”を用意されながら、ファーストクラスには「仕事に集中したい」などと食事を断る乗客もいる。一般の乗客からみればもったいない話だが、だからといってエアライン側も「はい、そうですか」とサービスを止めるわけにはいかない。そういう乗客には出発前に食事を済ませてもらえるよう、空港のファーストクラスラウンジで豪華な食事を用意。「地上でも空の上と変わらないサービスを」というのが各社の目標であり、今後利用する機会のある人は、出発地の空港に到着してから到着地の空港を出るまで、「食事」の面でもトータルに楽しむ気持ちで臨むといいだろう。

飛行機と空と旅
飛行機と空と旅 成田空港第2ターミナルにあるJALのファーストクラスラウンジ(撮影:倉谷清文)

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