カリフォルニア州ナパバレーで“ワイントレイン”に乗った:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(6/6 ページ)
成田からデルタ航空でアメリカ西海岸のサンフランシスコへ。そこからはフェリーを利用し、ワインの産地ナパバレーを目指す。今回の旅の目的はただ1つ──世界中の旅行者を魅了してやまない観光列車、ワイントレインに乗ることだった。
ボーイング747-400に新シート導入
デルタ航空は2011年夏より、国際長距離路線に新しいプレミアムエコノミークラス「エコノミーコンフォート」の導入を開始した。シートは足もとのスペースが最大4インチ(約10.2センチ)広くなり、リクライニング角度も標準のエコノミークラスに比べて1.5倍に。エコノミークラスでのサービスに含まれる食事やビール、ワイン、日本酒やエンターテインメント、ブランケット&枕などのサービスに加え、優先搭乗サービスとカクテルやリキュール類も無料で提供される。この新クラスの導入で、ちょっと贅沢な空の旅が手軽に楽しめるようになった。
そしてビジネスエリートでも、さらなる“進化”が続いている。成田/ロサンゼルス線などに投入されているボーイング747-400のキャビンを刷新。1階席と2階席のビジネスエリートのシート(計48席)が、新しく生まれ変わりつつある。斜めに配置したヘリボーンスタイルは前述した777-200ERと同様だが、窓側のシートは窓向きに、1階席中央の2列シートは斜めに向き合う形になり、カップルでの利用者に配慮した設計になった。
この新シートについては、近く成田からロサンゼルスへの便で取材する予定なので、後日改めて詳細を報告したい。
サンフランシスコからナパへは船で
最後に、サンフランシスコからナパバレーへのアクセスについても言及しておきたい。サンフランシスコからナパバレーへはレンタカーなどで向かうのが一般的だが、今回私はフェリーでのアクセスを選んだ。
午前11時30分発のランチ・トレインを利用する場合は、サンフランシスコのフェリーターミナルを朝8時30分に出発するヴァレーホ行きのフェリーに乗船するとちょうどいい。約1時間でヴァレーホに到着。サンフランシスコ湾を隔てたヴァレーホからは、ワイントレインが提供するシャトルバスを利用してトレインステーションに移動する。
料金は、フェリーとシャトルバスがセットで、往復・片道問わず1人48ドル(約3800円)。なお、利用するには前日までの事前予約が必要だ。曜日によってフェリーがバス便に変更になることもあるので、事前にワイントレインのWebサイト(http://winetrain.com/jp)で確認しておこう。
著者プロフィール:秋本俊二
作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各メディアにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活動。
著書に『ボーイング787まるごと解説』『ボーイング777機長まるごと体験』『みんなが知りたい旅客機の疑問50』『もっと知りたい旅客機の疑問50』『みんなが知りたい空港の疑問50』『エアバスA380まるごと解説』(以上ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)、『新いますぐ飛行機に乗りたくなる本』(NNA)など。
Blog『雲の上の書斎から』は多くの旅行ファン、航空ファンのほかエアライン関係者やマスコミ関係者にも支持を集めている。
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