2006年の米国における広告支出は、前年比4.1%増の1496億ドル――調査会社TNS Media Intelligenceが報告した。
メディア別にみると、インターネットのディスプレイ広告に対する支出は97億5610万ドルで前年比17.3%増と大幅な伸びを示し、広告費の投資先がターゲット型のデジタルメディアへと移行しているのが分かる。また政治キャンペーンの影響で、スポットテレビ広告支出が10.4%増の172億3370万ドルと過去最高の伸びを記録した。
スポットテレビ以外のテレビ広告支出は、2006年後半に伸びが鈍化。ネットワークTV広告支出は228億7920万ドルで前年比2.5%増にとどまり、CATV広告支出は167億4600万ドルで3.4%増だった。テレビ全体での広告支出は653億7330万ドル(前年比5.3%増)。
ラジオ広告支出は、2006年第4四半期の伸びに支えられ、110億5480万ドルで0.3%増とギリギリでプラスを達成。雑誌広告支出は一般消費者向け雑誌での広告ページ数が抑制されたため、231億9050万ドルで4.6%増にとどまり、雑誌全体では298億3340万ドルの3.8%増となった。
新聞は地元紙向け広告支出が3.3%減の240億5750万ドルと低迷、新聞全体の広告支出も2.4%減の279億7210万ドルとマイナス成長となった。
2006年の広告支出全体に占めるメディア別シェアでは、テレビが43.7%で前年と変わらずトップ。
メディアのタイプ | 2006年 | 2005年 |
---|---|---|
テレビ | 43.7 | 43.2 |
雑誌 | 19.9 | 20.0 |
新聞 | 18.7 | 19.9 |
ラジオ | 7.4 | 7.6 |
インターネット(検索広告は含まない) | 6.5 | 5.8 |
その他 | 3.8 | 3.5 |
合計 | 100.0 | 100.0 |
(資料:TNSMediaIntelligence) |
広告スポンサー別では、上位10社の広告支出総額が187億3000万ドルで、前年比2.8%減となった。これは自動車メーカーの広告費削減をカバーしきれなかったためと見られる。
首位はProcter & Gamble(P&G)で、広告支出333億8700万ドル(前年比3.3%増)。一方Johnson & Johnsonは広告支出を19.8%削減して130億2800万ドルとなり、前年の4位から2006年は9位に落ちた。
General Motors(GM)は前年から23.7%(7億1000万ドル)も広告支出を減らして229億4800万ドルとなったが2位を維持。TNSによると、2006年に7億1000万ドル以上の広告費を投じた企業は29社しかないという。
通信関連企業は大幅に広告支出を増やしており、3位のAT&Tは前年比30.8%増の220億3800万ドル、4位のVerizon Communicationsは10.4%増の194億4200万ドル。5位のTime Warnerは12%減の182億4600万ドルだった。
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