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» 2004年02月02日 15時37分 UPDATE

両親にインターネットを使わせるとしたら――Part2 (2/2)

[小寺信良,ITmedia]
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 さて、そこからサインインするまでの道のりもまた長いのだが、ここでは割愛する。リモートアシスタンスの要求は、メニューの[操作]−[リモートアシスタンスを要求]を選択する。するとその旨がこちらのPCに送られる。これを承諾すると、先方のPCには画面を表示を許可するかのダイアログが出る。出るはずなのだが、なにしろ電話でのことなので、向こうの画面でどうなっているのか、なかなか状況がわからない。さらにこのダイアログが他のウインドウの後ろに隠れてたりして、これを電話で指示しながら探して「はい」ボタンをクリックしてもらうまでに3分。

jn_remote007.jpg 画面表示を許可するダイアログ。これを探すのに3分

 ようやくこれで先方の画面が見られるようになったわけだが、さきほどデスクトップを表示させるのにウインドウをすべて閉じてしまったので、モンダイの画面も閉じてしまったことが判明。

 とりあえず中を探ってみようと思い、相手のPCを制御してみる。こちら側に表示されているリモートアシスタンス画面にある、「制御」アイコンをクリックするとコントロールできるようになるわけだが、また先方には制御を許可するかのダイアログが表示される。このダイアログもまた別ウインドウに隠れたりして、またクリックしてもらうのに一騒動だ。

jn_remote006.jpg 制御を許可するダイアログ

 初回だからということもあるとは思うが、最初に電話を受けてからリモートを確立するのに、約20分かかっている。

何がモンダイだったか

 使用中に突然表示されるメッセージといえば、だいたい想像が付く。一つはWindows Updateだ。だがこちらは定期的に自動インストールするよう設定してきたので、あまり問題はなさそうに思える。

 心当たりとしてもう一つは、VAIO特有の「VAIO Update」である。これはVAIO固有のアプリケーションのアップデータを通知したりインストールの手助けをしてくれるツールだ。従来のように自分でサイトにアクセスしてアップデータをチェックするような作業がいらなくなるので、これはこれで便利なのだが、このツール、それだけではなくWindowsのアップデータの情報も知らせてくる。もっともこちらは知らせてくるだけで何もしてくれないし、「確認済み」のチェックを付けないと、何度もしつこく表示してくる。こういう点で良し悪しのあるツールだ。

 おそらく今回の問題は、このVAIO Updateがインターネットに接続できないため出てきたアラートではないかと想像する。VAIO Updateの使い方は一度教えているのだが、初心者がそうそう覚えられるものでもないだろう。第一ここに出てくる「重要なお知らせ」の内容は、MSの情報を引っ張ってきて表示するだけなので、これまた「誰に向かって書いてますか」と聞きたくなるほど難解な文章だ。一例を引用するならば、

『マイクロソフト株式会社から「MS03-049: Workstation サービスのバッファ オーバーランにより、コードが実行される(828749)」に関する情報が公開されましたのでお知らせいたします。この情報の深刻度はマイクロソフト株式会社では緊急になっています。速やかな対策を強く推奨いたします。』

(*VAIO Update :『「バイオ」をご使用のお客様へ「MS03-049: Workstation サービスのバッファ オーバーランにより、コードが実行される(828749)」に関するセキュリティ情報』 より引用)

 こんな文章を70代の女性、しかもPC初心者に理解できるはずもない。気にしないで下さいと言っても、これだけしつこく表示されて、しかも緊急だと書いてあれば、不安にもなるだろう。結局、またこんなことになったら電話してもらうことにして、リモートでアップデートなどの処理を行なった。

jn_remote004.jpg リモートでVAIO Updateを操作する

 さて、この話をMSダメじゃんとかVAIOだめじゃん、と片づけてしまうのは簡単だが、なんの発展性もない。しかしここにビジネスチャンスが転がっているとしたらどうだろう。

 例えばこのようなスーパー初心者に対しての「リモートメンテナンス」は、ビジネスとして芽があるのではないか。初心者にはまったく手も足もでなくても、上級者がちょっと画面を見てやるだけで簡単に解決する問題は少なくない。実際にはほとんどプレーンな環境で起こることであり、トラブルというほどのものでもないのだ。

 ISPやPCメーカーのサポートでも、タダで人を派遣したり宅配便で本体を送ったり戻したり延々と電話で小一時間サポートするぐらいなら、この「リモートメンテナンス」という方法は採算が合うだろう。あるいは車におけるJAFのような、会員制緊急メンテナンスサービス会社の起業は可能なのではないか。

 PCもこれだけ一般に普及し、次はデジタルデバイドの向こう側にまで手を伸ばそうとするのであれば、もはや売る側も手離れの良い“Own Your Risk”の精神ではどうにもならないことを理解しなければならない。コンシューマー市場に普及するとは、そういうことなのではないだろうか。

小寺信良氏は映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。

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