コラム
» 2004年03月24日 14時52分 UPDATE

プロ写真家が“EPSONプリンタ”を選ぶ理由 (1/3)

プロ写真家御用達のインクジェットプリンタは、ほとんどが“EPSON”。ただし、選ばれる理由はメーカー側の“絵作り”ではなく、ユーザーが思い通りにコントロールできるからだという。銀塩からデジタルへの移行で画像処理の敷居が低くなっている中、“絵作り”は誰が成すべきかを考えてみた。

[本田雅一,ITmedia]

 セイコーエプソンの厚意で、米国で活躍している数人の写真家に出会うことができた。彼らが仕事で使っているプリンタはもちろん“EPSON”。だがたとえ同社の紹介でなかったとしても、写真家たちのアトリエで“EPSON”以外のプリンタを発見することはなかっただろう。

 なぜならプロ写真家の世界において、作品出力や印刷プルーフ出力に使われるインクジェットプリンタは、100%近くがエプソン製だからだ。

 では彼らが何故“EPSON”を選ぶのか?

 ニューヨークにあるプロ向けカメラ専門店のオーナーは「プロ用途を意識した製品作りと、トップフォトグラファーを擁したプロモーション。それに口コミで(評判が)広がっている」と指摘する。写真家たちの話を聞いてみると、なぜ口コミでこれほど高いシェアに至っているのかだけでなく、プロ向け製品とコンシューマ製品の間にある“大きな隙間”も見えてくる。

「制御可能」か、「制御不能」か

 取材したのはジャック・レズニツキー(Reznicki)氏、ジェイ・メイゼル氏、エディ・アダムス氏、ダグラス・ダブラー氏、ジョイス・テネソン氏の5名。彼らはカラーリファレンス用のプルーフ出力に、ファインアートに、写真展の展示用出力に、自らのポートフォリオを作るために、などさまざまな用途にインクジェットプリンタを活用しているという。

photo デジタルで作業は楽になったが、写真の本質は変わっていないと語るピューリッツアー賞写真家のエディ・アダムス氏

 付け加えると、アダムス氏以外の写真家たちはエプソンからの技術的、物質的なサポートを受ける契約を結んでいる。従ってエプソンへの気遣いもあるのでは?とも勘ぐってしまう。しかし、プロ写真家のほとんどがエプソンプリンタをチョイスしている事実を鑑みれば、そう話は単純ではないようだ。そもそも、彼らのほとんどはサポートを受ける傍ら、自分自身でプリンタを購入しているからだ。

 ではなぜ“EPSON”なのか?

 取材した写真家たちが口を揃えるのはエプソンプリンタの美しい絵作り――ではない。自分が望む思い通りの作品を作り出す道具として、エプソンプリンタを評価しているという。では思い通りの作品を作り出す道具とは何か?

 ダブラー氏はそれらの声を代弁するかのようにいう。「エプソン製プリンタを私が使う理由は多数あるが、ひとつだけ挙げろと言われれば“コントローラブル”なことを挙げる。もう少し明るくしたい、トーンカーブを変えてみよう、色相をズラしたい。そんな操作に対して、エプソンプリンタはリニアに応えてくれる。これは我々にとって重要なことだ」

photo 自分の作品へと”絵”を追い込めることがインクジェットプリンタの、魅力だと語るダグラス・ダブラー氏

 「我々は商売の事だけを考えてこの仕事をしているわけではない。ほとんどのプロ写真家は、生活に窮するほどのわずかな収入で10年近くをアシスタントとして過ごしながら写真を学ぶ。私は運よく、アンセル・アダムス氏に師事する幸運に恵まれたが、いずれにしろ写真に対する情熱と学ぶ姿勢がこの世界でもっとも必要なもの。作品を出力するプリンタは、その情熱を受け止められるものでなければならない」(ダブラー氏)

 同氏はPM-4000PXが製品化する前、ドライバチューニングによる絵作りに対してアドバイスを送ったそうだが、そこでの要求はモノトーンの印刷を行う場合の階調と色相の素直さ、それにユーザーが印刷結果を想像しながら出力しやすい素直な色の変化だったという。

 レズニツキー氏は「ベターなICCプロファイル(色特性を記した情報)をエプソンプリンタは持っている。もちろん、モニタキャリブレーションを行っても印刷結果と画面表示が完全に同じになるわけではない。しかし、印刷所とのコミュニケーションに使うためには十分だし、自分で理想の画像へと追い込むことも容易だ」と話す。

photo 自らMacを操ってみせるジャック・レズニツキー氏。広告写真においてクライアントのほとんどはデジタルでの納品を求めるとか
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