コラム
» 2008年08月28日 16時35分 UPDATE

IE 8のβ2はまだまだ荒削り (1/2)

「パブリック」βということだが、IE 8のβ2はまだ自己責任でインストールするべきもののようだ。

[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

 8月27日の午後、米MicrosoftはInternet Explorer 8(IE 8)のβ2をWebで公開した。早速、テストしてみようではないか。

 eWEEK編集部のわたしの同僚、ジム・ラポーザは既に1週間前からこのブラウザを使っているらしい(彼はそれを今日までわたしに黙っていた。まったく!)。ジムはIE 8に関する内部情報を持っているのだ。彼のレビューを見た限りでは、どうやらこの荒削りなブラウザの使用には注意を喚起した方がよさそうだ。まあ、確かにパブリックβではあるのだが……。

 だが、このβには大いに期待もできそうだ。「IE 8のβ2をざっとテストしてみたところでは、いよいよ今回Microsoftは1999年にIE 5をリリースして以来初めてと言えるほど大幅な改良を施したIE新版を提供できることになりそうだ」とジムは書いている。

透明性は?

 ここで称賛を贈るべき相手は、IE担当ジェネラルマネジャーのディーン・ハチャモビッチ氏とそのチームだろう。新しいブラウザに関しては、驚くほどの充実ぶりで情報が提供されており、とりわけIE開発チームの公式ブログは素晴らしい貢献を果たしている。IEチームはIE 8の新機能を分かりやすく説明してくれているだけでなく、さらに重要なことには、その理由までしっかり伝えてくれている。その内容が「信ずるに足る」という点で、こうした説明は異例ともいえる。Microsoftの製品マネジャーは何かにつけ「顧客のため」をことさら強調する傾向にあるからだ。

 Microsoft幹部は常々、透明性の向上をアピールしているが、わたしに言わせれば、まだまだ不透明な部分は残っている。だがIE 8の開発は驚くほど透明に進められており、対応も柔軟だ。事実、IEチームは方針の変更まで行っており、例えば、フィードバックを受けてIE 7互換モードを追加するなど、なかには非常に決定的な変更も幾つかある。

 サードパーティーのcookieに関する8月25日付のハチャモビッチ氏のブログ投稿とIE 8プログラムマネジャーのアンディ・ジーグラー氏によるブログ投稿には、Microsoftの製品マネジャーは皆、必須で目を通すべきだ。両氏はこれらの投稿で「新機能がなぜ追加されたのか」「それによってユーザーがどのようなメリットを享受できるか」を具体的に説明している。両氏はIE 8に関して、信用できる明確なストーリーを語ってくれた。そのほかの製品開発チームも彼らのこうしたメッセージング手法を見習うべきだ。とりわけWindows 7とその開発チームのEngineering Windows 7ブログについて、わたしは特にそう思う。

市場シェアは?

 明確なコミュニケーションを図らなければ、IE 8は失敗に終わってしまうだろう。なぜならMicrosoftはIE 6とIE 7で生じた標準をめぐる混乱状態をWebを中断させることなく解決しなければならないからだ。IEの圧倒的な市場シェアとIE専用ページでのページのロードにDOCTYPEタグを使っているWebサイトの数を考えれば、ブラウザコードを使っているWindowsアプリケーションやWebサイトをIE 8が中断させるリスクには十分に現実味がある。

 企業でIE 6が広く採用されているという現状は、IE 8を完全に標準に準拠させる上での障害となるだろう。Forrester Researchが毎月5万人の企業ユーザーを対象に実施している調査の最新の月例報告書によると、2008年6月には企業でのIE 7の採用率はわずか36.5%となっている。多くの企業はIE 6からIE 8に直接アップグレードすることになるだろう。この点は、MicrosoftがIEの動作を損なうことなくできる限り完全に標準をサポートできるよう慎重に移行を進めなければならないさらに大きな理由となる。その意味では、まさに今が試金石だ。企業が遠い過去から迫り来る未来にすんなりと移行できるよう、IE 8のIE 7互換モードで十分に支援できるかどうかが重要なポイントといえるだろう。

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 Forrester Researchのアナリスト、トーマス・メンデル氏は7月の調査報告書で次のように警告している。

 「企業ユーザーの19%がFirefoxを使っている。つまり、WebやSaaS(サービスとしてのソフトウェア)型のアプリケーションはもはやIEオンリーでは駄目ということだ。理想的なのは、ベンダーがブラウザにとらわれない開発戦略を持つことだが、W3C(World Wide Web Consortium)の厳格主義は必ずしも常に実現可能なわけでも、実際的なわけでもない。少なくとも、アプリケーションがIEだけでなくFirefoxでも動作するよう留意する必要がある。それは必須だ」

 このFirefoxに関するアドバイスはそのままIE 8にも当てはまる。IE 6の時代は終わるべきなのだ。IE 6はもうとっくに引退していていいころだ。企業は旧版ブラウザの非標準のページレンダリングの制限やActiveXコントロールに縛られたWebサイトやアプリケーションを破棄なり更新なりすべきだ。わたしが思うに、FirefoxはIE 8の標準モードの動作にとって優れた開発基準になる。Firefoxに合わせて開発を行えば、IE 8にも対応するというわけだ。

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