Chrome OSとAndroid、一本化しなければ共倒れに?
米Googleが開発中の「Google Chrome OS」が先日の発表イベントでついに公開されたが、同社の共同創業者であるサーゲイ・ブリン氏はイベント終了後、このLinuxベースのNetbook向けOSと、同じくLinuxをベースとした同社の携帯電話向けOS「Android」とは、いずれ1つのプラットフォームに統合される可能性があると語った。
両OSはどちらもLinuxやWebKitなどのオープンソース技術をベースとしており、似通った特徴を備えている。どちらも、携帯端末において簡単かつスピーディにWebを閲覧したりWebアプリケーションを利用したりすることを目的に開発されたOSだ。
現時点では、Chrome OSはNetbook向けのOSと位置付けられている。Netbookとは、Webアプリケーションにアクセスする機能を備えた小型ノートPCのこと。一方、Androidのターゲットはもっと広く、「Motorola DROID」をはじめとする各種スマートフォンのほか、「Archos 5」などのインターネットタブレットにも採用されている。またAndroid搭載のNetbookを開発中とうわさされている企業も少なくない。
わたしの最大の関心事は、Chrome OSベースのNetbookとAndroidベースのNetbookがお互いを打ち消すことになってしまわないだろうかという点だ。つまり、こうしたオープンソースプラットフォームは「選択肢は多い方が良い」というLinuxの精神を守りながら、Microsoft Windowsによる支配に対抗し続けることができるのだろうか?
それは定かではない。実際、コンシューマーはLinuxベースの端末を求めて店頭に行列を作ったりはしていない。マニア向けではないごく普通のLinux製品については、とにかくそれが現実だ。
米市場調査会社IDCのアナリスト、アル・ヒルワ氏はわたしに次のように語った。「Googleにとっては、AndroidとChrome OSをなんとか1つのブランドの下に統合し、長期的な戦略的マーケティングを展開する方が得策だろう」
「実際、GoogleはせっかくのAndroidの成功やデスクトップOSのブランドを利用しないことで好機を逃していることになる。同社のOSのブランド認知度は今でも間違いなく高いが、今後iPhoneへの対抗策としてますます多くのキャリアが同社のOSを搭載した端末を宣伝するようになれば、さらにブランド認知度は高まるだろう。実のところ、わたしは長期的に見れば、スマートモバイル端末はWindowsにとってより大きな脅威であると考えている。少なくとも、クラウドやWebコンピューティングと同じくらいに大きな脅威であることは間違いない」とさらに同氏は続けている。
わたしも同意見だ。ただしわたしは、AndroidとChrome OSには何か明確な説明が必要なのではないだろうかとも思っている。人々の間では、Chrome OSは依然、「従来のロードプロセスを回避できる新種のプラットフォーム」というとらえ方をされている。
もっとも、わたしたちがAndroidとChrome OSの違いを明確にしようと思いあぐねたり、あるいは両OSはWindowsに対抗して協力するための単なる相補的なプラットフォームにすぎないのかと思い悩んだりする必要はない。
ヒルワ氏は以前、わたしに「Chrome OSはコンシューマー市場に足掛かりを築くのに5年かかり、エンタープライズ市場に本格的に進出するにはさらに5年かかるだろう」と語った。
「Macintoshは1984年に発表されたが、今でもエンタープライズ市場で広く採用されているわけではない(当然ながら、発表から10~15年ほど経って、Appleは“広くエンタープライズ市場に向けた戦略”を断念するという決断を下したが、それでもやはり今日、Macは成功したと考えられている)。従って、もしChrome OSが本当に10年後にエンタープライズ市場で広く採用されることになっていれば、それは間違いなく成功と見なすことができ、おそらくGoogleの期待どおりということになるだろう。そして、おそらくコンシューマー市場ではもっと早くからはるかに大きな成功を収めているだろうから、その点でも成功だ」と同氏。
もちろん、これはAndroidとChrome OSがお互いを打ち消しあわないという前提での話だ。
Androidは最近スマートフォン市場で勢いを増しつつあり(Motorola DROIDの売れ行きは絶好調だ)、おそらくChrome OSにとってはAndroidブランドの下に一本化される方が得策なのではないだろうか。目下Netbook市場で莫大な利益を享受しているWindowsにぺしゃんこにつぶされてしまうといけないから。
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