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Google Chrome OSのデモを見てきた

» 2009年11月20日 16時45分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 GoogleがChrome OSのテストを開始するため、開発者向けにオープンソースとしてリリースした。だがエンドユーザーが同OSを使えるのは2010年後半になるという。

 Chrome OSは、GoogleがNetbook向けに開発しているWeb OSだ。MicrosoftのWindowsやAppleのMac OS Xなど従来型のOSを搭載したコンピュータに代わる選択肢を目指している。これら従来のコンピュータは起動に何秒も、あるいは古いマシンでは何分もかかる。多数のデータチェックプロセスを実行するためだ。

 WindowsやMac OS Xと同様に、Chrome OSはユーザーがアプリケーションを実行したり、管理したりできる。だがアプリケーションをデスクトップにダウンロードするWindowsやMacとは違って、Chrome OSはクラウドコンピューティングと呼ばれるモデルを使って、インターネットをプラットフォームとして利用する。Microsoftは先日、独自のクラウドプラットフォーム「Windows Azure」を1月1日にユーザー向けに提供すると発表した

 Chrome OS上ではGoogleのChromeブラウザが走り、ユーザーがWebアプリケーションにアクセスするためのゲートウェイとなる。すべてのアプリケーションは、Googleのサーバがつくるクラウド内で動作する。

 Googleの製品管理責任者サンダー・ピチャイ氏はマウンテンビュー本社で行ったデモで、Chrome OSがNetbookに搭載されてユーザーのもとに届くのは少なくとも1年後だが、開発者はオープンソースライセンスの下で同OSのコードをダウンロードし、改変できると語った。

 「今日からコードを完全にオープンにする。Google開発者が外部の開発者と同じコードツリーで作業するということだ」と同氏は述べた。サードパーティーの開発者に、Chrome OS上で動作するアプリケーションを構築してもらうことが狙いだ。

 同氏はまた、Chrome OSにおけるGoogleの目標がスピード、シンプルさ、セキュリティであることも語った。Chrome OSを「非常に高速」にしたいとし、「電源ボタンを押したらテレビのように起動するようにしたい。電源を入れたらすぐにWebにアクセスしてアプリケーションを使えるようになるべきだ」と話した

 ピチャイ氏はデモで、ASUSのEee PCでChrome OSが7秒で起動し、さらに3秒でアプリケーションにログインする様子を見せた。同OSはChromeブラウザ――現在4000万人のユーザーを抱えている――とルック&フィールが似ているが、ユーザーインタフェースは正式立ち上げ時には変わっているだろうと同氏は語った。

 同氏は、Chrome OSのアプリケーションタブでGmail、Googleカレンダーなどのアプリを開いてみせ、アプリをウィンドウに固定することで「お気に入り登録」する方法を説明した。Chromeブラウザでは既に、Webページに対してこの操作ができる。ユーザーがよく使うアプリを手早く開けるようにするだめだ。

 AppleのiPhoneやAndroid搭載スマートフォンと似たアプリメニューもあり、アプリをクリックして立ち上げることもできる。ピチャイ氏がGoogle Talkのアプリケーションタブをクリックすると、Gmailのチャットウィンドウのように、ポップアップウィンドウが立ち上がった。Googleはこれを「persistent window(永続的ウィンドウ)」と呼んでいる。

 同氏はまた、別のアプリケーションタブを開いてU2のYouTubeの動画を視聴したり、Chrome OS上でGoogleブック検索を使って本を読む様子をデモした。スクリーンショットやビデオ、Chrome OSの資料をGoogle Watchに掲載している。

 同氏は、Chrome OSは従来のデスクトップアプリケーションには対応せず、すべてのアプリはWebアプリケーションになると語った。同OSはクラウドに依存しているため、ユーザーがプログラムをインストールしたり、アップデートを管理する必要はない。「コンピュータがやってくれるはずだ」と同氏。

 ユーザーがChrome OS搭載のNetbookを紛失しても、新しいマシンを購入してGoogleアカウントにログインすれば、Webアプリ、キャッシュされたデータ、背景などのカスタマイズデータなど自分のデータにすぐにアクセスできる。

 Webに対するセキュリティ上の脅威が存在することから、Chrome OSのセキュリティは多くの人にとって大きな疑問となっていた。

 ピチャイ氏は、GoogleはChrome OSのコードをすべて理解しているため、リブートの際に不正なプロセスを検出し、システムを管理できる可能性は高いとしている。eWEEKはChrome OSのセキュリティに関する詳しい記事(英語)を掲載している。

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