あなたのお札、判定します――ニセ札判定くん

もし、あなたの持っているお札がニセ札だったら――。そんな時に気軽にチェックできるのが「ニセ札判定くん」だ。

» 2006年08月22日 20時30分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 最近、近所のスーパーのレジで「警察の指導により、ニセ札の疑いがある場合は確認させていただきます」という趣旨の張り紙を見かけた。

 「ニセ札を使いまくって、日本の経済をめちゃくちゃにしてやる」などという確信犯でもなければ、基本的に自分の持っているお札がニセ札かどうかはわからないだろう。では、どうやって確認するのだろうか――と興味がわいた。

 国内では、2001年秋ごろから精巧なニセ札が急速に広まった。1998年には1年間で807枚だったニセ札の発見枚数は2002年には2万枚を超えた。2004年末には紙幣の偽造が相次いで発生している。2005年1月5日の日本銀行発券局による発表では、「2004年12月31日から2005年初にかけて、10都府県の神社・寺院、露店を中心に約210枚もの偽造券が発見」された。その多くは旧1万円札で透かしも識別マークもない粗雑なものだったが、わずか数日間で200枚以上のニセ札が発見されたのだ。

 その2004年に特殊なインクを用いた「ニセ札判定くん」が発売された。価格は525円。複数の通販サイトのほか、PCデポなどで取り扱っており、スーパーのレジなど法人向けのほか一般向けにも販売している。発売元の丸十化成は「ミスノン」のブランドで修正インクや修正ペンなどを製造・販売している会社だ。

「ニセ札判定くん」。通販サイトのほか、PCデポなどで取り扱っている
ペン先の太さは0.2ミリ

 ニセ札判定くんは一種のペンで、普通紙には茶色の線が書けるが、国内で流通している紙幣には線が書けない(厳密にいえば、紙面にうっすらとインクは“のる”が発色しないようだ)。つまり、手持ちのお札に線を引いてみれば、ニセ札かどうかがわかる――という仕組みである。

 試しに手持ちの千円札と5千円札に線を引いてみたが、幸いなことに茶色に発色しなかった。隣席の編集長からも1万円札を借りてやってみたが、こちらもどうやらニセ札ではないようで安心した。

普通のコピー用紙に線を引いてみると茶色く発色する。これが“陽性”だ
編集長から1万円札を借りてチェックしてみた

うっすらとインクのシミのようなものは残るが、そのうちよくわからなくなる
手持ちのお札はすべて“陰性”だった

 このニセ札判定くんだが、丸十化成に確認したところ日本円のほか、ユーロ、米ドル、ポンド(英国)、バーツ(タイ)、ルピー(インド)、ウォン(韓国)シンガポールドル、ペソ(フィリピン)、元(中国)、台湾ドルでも判別可能だという。海外出張の時にニセ札をチェックするのもいいかもしれない。

 なお、ニセ札判定くんは、必ずしもそのお札が正規の紙幣であるかどうかはわからない。“技術の進歩”で正規のお札と同じ材質のニセ札にあたる恐れもあるからだ。それから、カナダやオーストラリアなどで流通しているプラスチック紙幣も判定できない。ただし、紙の紙幣(というのも妙な表現だが)の場合、茶色の反応が出れば「正規のお札と違う材質だからニセ札である」と判定できるのだ。

 “陽性”の反応が出た場合はすぐに警察に届けよう。ニセ札だと知っていて利用してしまうと法律で罰せられることになる。「偽造通貨・変造通貨の行使罪(刑法第148条第2項)」の場合は、「無期又は3年以上の懲役」なのだ。

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