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» 2007年12月21日 19時21分 UPDATE

シゴトハック研究所:現実的なスケジュールを作るには?【解決編】

スケジュールを作成したものの、見通しが甘かったために苦しんだことはありませんか。これを防ぐには、“長期的な視点”と“短期的な視点”で、考え方を変えることが重要です。

[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題

 現実的なスケジュールを作るには?

 コツ:面積と数字で把握する


 問題編にもあったように、「今はまだ余裕があるので大丈夫だろう」と思って引き受けたものの、後になって予想外に自分の仕事が忙しくなり、身動きが取れなくなってしまうことがあります。こういったことを防ぐにはどうすればいいでしょうか。長期的な視点と短期的な視点の2つに分けて考えてみます。

 長期的な視点でのスケジューリングを見誤れば、冒頭に書いたような思わぬピンチに見舞われることになります。一方、短期的な視点でのスケジューリングにおいては、途中で考え込んだり、当初は想定していなかった作業を発生させてしまうことなどにより、同様に危機的状況を招くでしょう。

 いずれも「見通しの甘さ」という一言で整理できますが、その対策については視点ごとに異なってきます。

期間 対策
長期的な視点での対策 1週間〜1カ月程度のスパンで、自分が抱えている仕事全体のボリュームを大まかに把握し、過不足なく時間を配分する。
短期的な視点での対策 1日から最大3日程度のスパンで、行うべき仕事を作業レベルに分解し、最適な順番に並び替えた上で1つ1つ片付けていく。

 それぞれについて詳しく見ていきましょう。

まず、面積で把握する──長期的な視点

 結論から先にいえば、2つの視点の違いは見通しの把握の仕方に現れてきます。具体的には次の表のように整理することができます。

視点 把握の仕方 ツール
長期的 面積で把握する 紙(アナログ)
短期的 数字で把握する PC(デジタル)

 まず、長期的視点で見通しを把握する場合から考えてみます。例えば、

「1カ月後に予定されている営業会議までに上半期の営業実績をまとめた発表用資料を作る」

 という課題を与えられたとします。猶予は「1カ月」ありますが、このままでは実際に資料作りに使える時間がどれくらいあるかがよく分かりません。そもそもトータルでどれくらいの時間が必要なのかを分かっていなければ、見通しの立てようもないでしょう。

 このようなスケールの大きな数字を扱う際には、いきなり数字で把握しようとせず、まずは面積で把握するようにします。例えば、3カ月を一望できるような手帳を用意し、本日と営業会議の日それぞれに丸をつけます。こうすることで、本日から営業会議の日までが「距離」として把握できるようになります。

ks_shack1.gif

 距離が分かったら、今度は本日から営業会議までの間で、週ごとにどれくらいの時間を資料作りに充てられるかをざっくりと見積もります。例えば、1週目は20%(週1日)、2週目は40%(週2日)、3週目も40%(週2日)、4週目は60%(週3日)といった具合です。模式図にすると以下のようなイメージです。

  • 1週目:■□□□□ 20%
  • 2週目:■■□□□ 40%
  • 3週目:■■□□□ 40%
  • 4週目:■■■□□ 60%

 こうすることで、本日から営業会議の日に向かって、必要な時間が扇が広がるように増えていくのが分かるはずです。今後1カ月の間に資料作りの仕事がどれぐらいのシェアを要求するのかを視覚的に把握できるわけです。これは、時間を面積として捉えていることになります。

 同じことを数字で把握しようとすると次のようになります。

  • 営業会議まであと28日
  • 1週目: 8時間
  • 2週目:16時間
  • 3週目:16時間
  • 4週目:24時間

 合計すれば「64時間」ということになりますが、これらの数字はあまりにも大きすぎるため、この数字を使って何らかの意志決定をするのは現実的ではありません。むしろ、

「64時間もあるのか!(何でもできるのではないか?)」

 という、扱い慣れていない時間を手にすることで、この時間を過大評価しがちです。そうなると人は油断しますから、「気がついたらもはや手遅れ」という事態を招きやすいのです。

続いて、数字で把握する──短期的な視点

 一方、短期的視点で見通しを把握する場合。こちらは、長期的視点よりも身近なはずですから比較的分かりやすいでしょう。長期的視点は面積、すなわち大きさで把握しようとしていたのに対して、短期的視点では数字、すなわち多さで把握するようにします。

 例えば、一日のスケジュールを考える場合は、次のようにその日にやるべきタスクをすべて洗い出し、タスクごとに必要と思われる時間を割り当てていきます。

タスク 必要時間
ニュースチェック 30分
メールチェック&返信 30分
アポイント調整 20分
バイト作業オリエン 30分
定例ミーティング 60分
ランチ 60分
メールチェック&返信 20分
会議資料作成 80分
媒体資料の更新 30分
関連データのリサーチ 30分
会議資料レビュー 15分
バイト作業チェック 15分
メールチェック&返信 30分
出張精算 15分
明日のスケジュール確認 15分
合計 480分(8時間)

 こうして数字で把握することで、予定しているタスクが一日という枠に収まるのかどうかが分かります。合計時間が8時間を超えていれば、超えた分だけ残業しないと終わらないということになります。非現実的なスケジュールかどうかがすぐに分かるわけです。

 以上、長期的視点と短期的視点で見通しを把握する方法をご紹介してきましたが、この2つの違いはツールの使い分けの指標になります。長期的視点においては、紙とペンを使って大まかに描いた図の方が分かりやすくなります。図に描くことで、時間の“大きさ”のギャップに気づきやすくなるためです。

 一方、短期的視点においては、PCを使って個々のタスクにかかる時間や合計時間を数字で把握することで、時間を強く意識することができます。結果として、無駄な作業を減らそうという気持ちが強くなり、仕事のスピードがアップするでしょう。

筆者:大橋悦夫

1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタリハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』、近著に『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』がある。


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