つい初心を忘れがちなあなたに贈る言葉Biz.ID Weekly Top10

春一番が吹いた先週は、現役高校生のインタビュー記事がランクイン。「プログラミングって面白い」。そう目を輝かせる3人からインタビューには載っていない、もう1つのメッセージをお届けしよう。

» 2008年02月27日 16時50分 公開
[豊島美幸,ITmedia]

 「初めてのお遣いに行ってこい。でもそこの角、曲がったら怖い犬がたくさんいるとさんざん脅して、誰がお遣いに行きたいと思いますか」

 これは15歳の草野翔さん、17歳の安野貴博さん、同じく倉世古恭平さんのインタビューに同行した筆者にとって、とりわけ印象的に残った発言だ。終始、和気あいあいとインタビューが進むなか、唯一シリアスになった場面だったと記憶している。

 発言はネット世代である現役高校生3人がプログラミングを始めたころ、インターネット上で経験者たちにさんざん叩かれた苦い経験から来たものだ。彼らは経験者たちの“叩き”行動に大きな疑問を抱いている。

 初心というものはフレッシュに保ちつづけるのが難しい。長く経験を積んだらなおさらだ。とはいえ、勉強中の人間に“上から目線”でモノを言ってしまい、出鼻をくじいたりモチベーションをそいでしまったり、場合によっては完膚なきまで打ちのめしてしまうことすらある。

 もちろん経験者にしてみれば、好きこのんで憎まれ役を買っているのではないはず。自分自身の失敗経験から、初心者には同じ轍を踏ませないようにしたいという老婆心。そして「ここまでできるはずだ」という期待。これらの理由から思わず“叩いて”しまうのだ。

 「みんな初心者から勉強を始めているはずなんです。だからすでにプログラミングを分かっている人たちは、勉強中の人をただ叩くのではなく『頑張れよ』と言える優しさや余裕を見せてほしい」

 この言葉にハッとしたなら、経験者のあなたが初心を忘れているサイン。フレッシュな新人を受け入れる前のこの時期に、かつて社会人初心者だったころの自分を思い返しておくのも手だ。そのうえで北風と太陽、アメとムチをうまく使い分けて接することができたら、新芽はすくすくと伸びるに違いない。

 あなたが抱いていた初志はなんだろうか――。 

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