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» 2008年05月29日 19時10分 UPDATE

実践! 専門知識を教えてみよう:第11回 仮説は当たっていなくてもかまわない (1/5)

仮説は当たらなくてもかまわない――。ですが、仮説を立てたら必ず検証しなければなりません。そのプロセスで思いもしなかった事実が見えてくるのです。

[開米瑞浩,ITmedia]

 専門知識を教える技術、第11回は「仮説は当たっていなくてもかまわない」という話を書きます。

 これは「教える技術」というよりは「学ぶ側が持っておくべき学習姿勢」なのですが、学習の成果を大きく左右するポイントであるのは間違いないので、「教える」側の人間も意識しておかなければなりません。

仮説が間違っているかどうかはどう判断するの?

 まず、今回この話をしようと思ったきっかけを書いておきましょう。先日私は「専門知識をきっちり教える図解術」の講演会のため、大阪と名古屋へ出張していました。その講演会では、この連載の第6回で書いた「構造化のカギは直線性と対称性」という話をメインに据えて、

 「専門知識を教えるためには構造化が必要だ! 構造化するためには複数の概念の間の直線的な関係と対称的な関係を見抜くことがカギになる。執念深く、直線性・対称性を探すのだ!」

 と語っていたわけです。すると、聴衆の中から質問がありました。

 「直線性と対称性で構造化できれば確かに分かりやすくなりそうですけど、その構造化した結果が本当に正しいかどうかは、検証できるのでしょうか?」

 この質問にストレートに答えると、「その構造化が正しいかどうかはそれぞれその分野ごとの知見に照らして判断することになるので、自分で判断できないときは、詳しい人を誰か見つけて聞くわけです」……となります。ですが、そのストレートな答えをする前に私はちょっとした違和感を感じました。

 そもそも何のために構造化をするのか?

 という根本的なところで、どうも誤解がありそうなのです。改めて考えてみるとその誤解はとてもよくあるもので、私がこれまで「図解」の話をするときに、何度も何度も悩まされてきたことでもありました。

 それがいったいどんな誤解だったのか、この講演会で質問を受けることでやっと分かりました。そして、「仮説は当たっていなくてもかまわない」という今回のテーマにたどりつくのです。

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