ここでいったん視点を広げて、ここ20年ぐらいの経営学やビジネス人材育成分野の動きを振り返ってみましょう。
「仮説」という言葉は、以前からこの分野ではよく使われています。新規事業を立ち上げるとき、問題解決をするとき、営業をするとき、研究開発をするとき――などなど、とにかく「決まった答えのない仕事をする」ときにはたいてい
という話が出てきます。最近では新入社員研修に組み込まれることも多いぐらいです。会社全体の「企業文化」としても、個人の行動においても、このような「仮説・検証・パパッと実践」という動作習慣が大事なわけですね。
私はこの連載の中で「専門知識は構造化しなければならない」と何度か書いてきました。そして構造化のカギは「直線性と対称性にある」と第6回で書きました。実は、
と言い換えられます。この2つはまったくイコールな活動なのです。そして、
要するに、間違った仮説であってもいっこうにかまわないのです。何の問題もありません。ノープロブレム。ところが、このへんの感覚がなかなか通じません。ひょっとしたら、
という勉強スタイルに慣れすぎていると、「間違っていてもいいから仮説を立てる」ことの意味を実感しにくいのかもしれません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.