肥満度から減価償却、ゼータ関数計算まであらゆる数値を計算する3分LifeHacking

電卓ですぐにできないような計算をするハメになったら、このサイト「keisan」に行って探してみよう。面白いもの、変わったものからアカデミックなものまで、各種の計算をしてくれるWebアプリだ。

» 2008年11月12日 18時54分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 仕事から生活まで、何らかの計算をしなくちゃならないシーンは多いもの。その中には電卓でササッとやればいいものから、Excelを立ち上げて式を入れなくちゃいけないもの、さらには計算式自体を調べなければいけないものまでさまざまだ。

 そんな面倒な計算を、Web上で簡単に行えるのがカシオ計算機が運営するサイト「keisan」だ。

 割り勘計算や和暦西暦変換といったよくあるものから、“隠れ肥満”計算や「タバコを吸って何歳まで生きられるか?」計算など、健康系。そして「印刷用紙サイズの最適画素数」「何枚撮れば全員瞬きなしの集合写真が得られる?」といった、一風変わった実用系の計算まで、数百におよぶ計算式が登録されている。

この計算が面白い!

 気になった計算式をいくつか挙げよう。

 「東京電力の従量電灯B契約の電気料金を計算」は、契約アンペア数と電気使用量(kWh)を入力すると金額を表示してくれる計算アプリだ。電気料金は時期によって違うので、使用月を平成19年から今年の10〜12月まで選べるようになっている。

 東北電力や九州電力、沖縄電力など各地の計算もできるので、地域格差を比較なんてこともできる。同様に、水道料金やガス料金も計算できるようになっている。

 意外に興味深かったのが、「TV画面のサイズ」の計算だ。4対3か16対9かを選び、画面サイズを入力すると、縦横の大きさと面積を表示してくれる。さらに、ハイビジョンサイズのテレビのサイズ――例えば24インチを入れると、「同じ面積の4対3の画面サイズは22.6インチです」という答えを返してくれる。今のテレビと同じ横幅で、16対9サイズを買うなら何インチ? なんて計算もできるわけだ。

 マニアックなところでは、「インド式計算法」なんてものもある。複雑な計算――例えば二けた数字同士のかけ算を暗算でやってしまおうというものだ。このコーナーは、Web上で計算自体をやるのではなく、インド式計算法の考え方をアニメーションで理解できるようになっている。

 感動したのは下記の「線を引いてかけ算を行う」というものだ。

 もちろんマジメな数学系の計算式もたくさんある。三角関数や平方根を求めるといった、関数電卓レベルのものから、標準正規分布の確率密度 f(x)、下側累積確率 P(x)、上側累積確率 Q(x)を求めるなんていう“中級”のもの、さらにはリーマンのゼータ関数のζ(x)の値を計算するなんてすごいものもある。

ちなみに、素数が自然数の中にどう分布しているのかというのは未だに解かれていない問題なのだが、このリーマンのゼータ関数から素数の分布について分かると言われている。マイクロソフトのエンカルタには「リーマンはゼータ関数がnを複素数にしても意味のある関数になっていることを証明し、その関数の値をゼロにする複素数(それらをゼータ関数の零点とよぶ)がわかれば、素数の分布について究極的な結論をえることができることをしめしたのである。」とある。これが現代数学最大の難問と言われる「リーマン予想」だ(こちらの書籍が分かりやすい)。ただしkeisanには残念ながら実数しか入力できない

 これはどうやって計算するんだっけ? というときには一度探してみたいサイトだ。

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