では、反面教師は全く役に立たないか、というとそんなことはありません。使い方ひとつで、大変有益なものになってくれます。例えば、もしあなたが、将来自分がどうなりたいのか、きちんと思い描けていないのならば、「反面教師を足がかりにして、自分の理想像を作る」という方法をお勧めします。
実は、自分の将来像を思い描けないという人は、最近増えているようです。その人たちがなぜ思い描けないかを聞いてみると、
という理由が挙がってくることが多いのです。つまり、何か手本がないと、自分の将来像を思い描くことが難しいということなんですよね。そういった人は、あまりに立派すぎる人を見ても、今の自分とのギャップが大きすぎて、その人を足がかりにした理想像を描くことは難しいのです。
でも、将来像を思い描けない人に、
と聞いてみると、こちらは結構いたりするわけです。だったら、その「なりたくない人」を足がかりにして、そのなりたくないことの裏を返していけば、将来自分がなりたい理想像を作れるわけです。
ただし、ここにはポイントがあります。先ほども言った通り、
ということです。例えば、よく腹を立てる人を見て、ああはなりたくないと思ったからといって、
「腹を立てない人になる」
としてしまうと、「腹を立てる」が脳内に刷り込まれてしまうため、よろしくありません。ですからここはNOを使わない肯定表現で、例えば、
「いつも穏やかな気持ちでいられる人になる」
といった形に変換して下さい。そうやって、肯定的な表現ででき上がった理想像を自分の頭にきちんとインプットしておけば、いくら反面教師の人があなたの目の前にいたとしても、間違った方向には向かわないでしょう。
そして、そう捉えることができて、初めてその人の行動から、たくさんの学びを得ることができる様になるわけです。
なぜならその人は、あなたから見て、やってはいけない数々の失敗を、あなたの代わりに実践してくれるわけですから。その失敗をつぶさに観察し、自分だったらこうやるという行動のヒントを沢山もらえる宝の山となるわけです。
不思議なもので、そう考えられるようになると以前は嫌いな存在だった人が、徐々にとてもありがたい存在に感じられるようになるはず。きっと精神的なストレスも軽減し、今までよりは楽しくやりがいを感じて仕事に取り組めるでしょう。
身近にいる嫌いな人を見て、あなた自身をダメにしてしまうような考え方はしないよう、くれぐれも気をつけて下さいね。そういう人も“調理”次第で、あなたを大きく成長させる重要なエッセンスとなるのですから。
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マイルストーン代表取締役。「社会に活き活きと働く大人たちを生み出す」をスローガンに掲げ、リーダーシップやモチベーション創造、自己表現力養成をテーマにした企業研修や公開セミナーを実施。また研修・セミナー講師向けに、具体的な成果を生み出す効果的なカリキュラムの構築手法や講師としてのマインド、人間力創りの指導も行っている。現在、日刊(平日)で、メールマガジン「1回3分でレベルアップ! 相手の心を掴むトーク術」を発行中。
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