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» 2009年02月26日 11時15分 UPDATE

現役医師がズバリ回答:症状はどう説明すれば伝わりますか?

緊張や熱で頭が回らなくなり、病気の症状をうまく説明できなかった経験はありませんか? 仁科桜子が「これさえ言えれば大丈夫」という必須項目4つについてお答えします。

[仁科桜子(企画:ソフトバンククリエイティブ),ITmedia]

 こんにちは。毎日病院をかけずり回る女医の仁科桜子(にしな・さくらこ)ですが、現場目線でさまざまな質問にお答えしちゃいます。さて今回の質問は?

質問4:症状の説明はどう説明したらいいですか? 

 症状の説明にシドロモドロ。説明するときの必須項目があれば教えてください


 ご質問ありがとうございます。あー、これ、すごくよく分かるわー!! 私自身も昔から医師にかかる時、かなり緊張してしまいシドロモドロでした。だって、初対面の知らない人と個室で対面するとなんだか緊張するし、特に顔がデンジャラスに迫力あるおじさんドクターだったりすると、妙にドキドキしてしまったりして。脇には百戦錬磨、経験豊富、戦国無双な感じの看護師なんかがいらしたら、さらに怖さもダブルスコア。

体を診察するだけでは情報不足、患者からも説明を

 「こんなこと言ったら怒られるかなー」とか、「ウザい患者だと思われたらイヤだなあ」なんて余計な気ばかり使ってしまい、家に帰ったあとから「あ、症状について言うべき点を忘れてた!」なんて悔やんだり……。

 最近でこそ、「医療もサービス」なんて考えが定着してきたけど、ちょっと前まではすごーく偉そうにふんぞり返ってる医師もいましたよね(今でもいるかもしれないけど少数派じゃないかな)。「胃が痛いんですけど」なんて言おうものなら、「本当に胃かどうか分からんだろ、このド素人がー!」なんて、ちゃぶ台(いや、診察台?)をひっくり返しそうな勢いの頑固オヤジドクターもいたわけです。

 いやはや、コワイ、コワイ。このあたりの患者と医師の関係が変化したことについては拙著『病院はもうご臨終です』で書きました。はい、宣伝です。

 そんな小心者の私ですから、このご質問を下さった方のお気持ち、とてもよく分かります。そこで、自分の症状を医師にスムーズに伝えるコツを知っておきましょう。

 まず、自分の症状を上手に医師に伝えることは、結果としてスムーズな診断、治療につながるという患者さんにとってのメリットがあります。もちろん、医師は実際に患者さんの体を診察するけど、それだけでは情報が足りません。

 患者さんの症状に関する情報をいかに的確に伝えていただけるかは、医師と患者、お互いにとって非常に重要なことなんですわ。お見合いで言えば、相手の年収に関する情報ってところでしょうか。

 ともあれ、ただダラダラと思いつくままに話してしまっては、時間だけが長くかかり、要点がよく伝わらないことも。結局、相手にいかに分かりやすく伝えるかという点では、ポイントを手際よく説明することが肝要です。

すでにほかの医師に診てもらった時は申告を

 医師側としてはどんな情報が欲しいのでしょう? 必須事項として

  1. いつから
  2. どのような症状が
  3. どのように経過してきているか
  4. この症状について、ほかの病院にかかったり薬を飲んだりしているか

 とまあ、最低限この辺りは知りたいところです。

 (1)については、かなり具体的に言ったほうがいいでしょう。「1週間くらい前からだんだんと……」なのか、それとも「○月○日の午前9時くらいから突然」なのか。いつからとは言えないくらい、段々と悪化してきたとしても、それはそれで重要な情報です。

 病気によって、突然症状が出るものもあれば、ゆっくりと進行するものもあります。ですから、「いつから」かは病気を診断する上で重要なキーワードの1つとなるんです。また、「朝起きたら」「食事をした後から」「会議の最中に」など、何をしている時に症状がひどくなったかなどもポイントです。

 (2)は、これまた具体的に話すことが大事。例えば、同じ「痛い」でも「何となく鈍い痛み」なのか、「ピンポイントでこの部分が刺すように痛い」のか。「ズキズキ」「チクチク」なんていう表現でもだいたいのニュアンスは医師もプロですから理解できます。

 そして、(3)で挙げたように、その症状がどのくらい続いたのか、少し良くなってきているのか、それともどんどん悪化して今に至るのか、などの経過も話していただけると有難いところです。

 忘れがちなのが(4)。「実はこの症状で昨日ほかの病院に行って、もう薬も出されて飲んでいるけど、何となく不安だから今日また違う病院に来てみた」なんてことがよくあります。しかし、それを言うと医師に失礼かもしれないとか、イヤな顔されるかな、なんて思ってあえて言わないことがあります。これは絶対にダメ。ここらへんは「セカンドオピニオンって聞いていいんですか?」と同じスタンスで。

 むしろ、ほかの医師でどのように診断されたとか、こんな薬が出たけどあまり効いている感じがしないとか、ほかの医師でこんなふうに言われたけど納得いかない、なんてことがあれば必ず次の医師に伝えるべきです。そうじゃないと、また全く同じ薬が出たり、飲み合わせの悪い薬が処方される危険もあります。こういう例に限らず、持病があったり、現在ほかの薬を服用している場合は必ず医師に伝えてくださいね。


 次回の質問「症状のこと、どこまで詳しく説明すべき?」に続く――。

本日の処方せん

  • 自分の症状を上手に医師に伝えると、スムーズな診断、治療につながるメリットがある。
  • 症状の説明で、最低限伝えるべき項目は4つある。

「いつから」

「どんな症状が」

「どう経過してきているか」

「すでにほかの病院にかかったり薬を飲んだりしているか」


仁科桜子(ドクトル・ピノコ)プロフィール

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女医。 医大生時代には体育会に属しつつ、某社キャンペーンガールや大手塾講師など数々のバイトをこなす日々を過ごす。 現在は、酒と体力だけには自信アリの外科系ドクターとして病院勤務。

ドクトル・ピノコ名義で「週刊ビジスタニュース」などにコラムを執筆している。2009年1月、仁科桜子(にしな・さくらこ)名義で『病院はもうご臨終です』(ソフトバンク新書)を発売した。


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