「人生の暗黒期」を乗り越える4つの処方せん「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック 第七の習慣(1/3 ページ)

私はつい最近、人が時に遭遇する暗黒期を経験した。何もかもが陳腐でつまらなく思え、意欲も活力も低下し、エネルギーが大幅にダウンした感覚があった。もはや、誰かに助けを求めるしかない、と腹をくくった。

» 2010年01月22日 09時00分 公開
[フランクリン・コヴィー・ジャパン,Business Media 誠]

「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック with DVD Vol.8 第七の習慣:刃を研ぐ

 実りある人生を送っている人々には共通する習慣があった――1996年に発売されて以来、ビジネスパーソンをはじめとする世界中の人々に多くの影響を与えたスティーブン・コヴィーのベストセラー『7つの習慣』

 7番目の習慣である「刃を研ぐ」とは、日頃がんばり過ぎて疲れがちな自分をいたわり、能力をみがき直し、大きな成果を生み出すための方法を学ぶことです。『「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック 第七の習慣』から、「成長を続ける自分」になるための5編を抜粋してお届けします。


 私たちの社会で成功し、有意義な人生を送るためには、多くの忍耐や努力が必要です。責任やプレッシャーから逃れることは難しく、そうしたストレスに上手に対処していくこともまた、現代を生き抜く上で不可欠な能力でありスキルであるといえるでしょう。肉体的なケアはもちろん、精神的なケアもしっかり行う必要があります。

 ここで、あるビジネスパーソンによる、再新再生の大切さを認識させるエピソードを紹介しましょう。


 私はつい最近、人が時に遭遇する暗黒期を経験した。何もかもが陳腐でつまらなく思え、意欲も活力も低下し、エネルギーが大幅にダウンした感覚があった。もはや、誰かに助けを求めるしかない、と腹をくくった。

 私が頼った相手は医者だった。精神科医ではなく、一般の医師だ。彼は私より年上で、見た目はがさつな感じだったが、実際はとても賢明で思いやりに溢れていた。

 彼はしばらく私を見つめていた。それから急に質問した。「1日だけ、私のいった通りにできますか?」

 「できると思います」

 「いいでしょう。では、これを実行してみてください」

 翌朝、1人車でビーチに向かい、午前9時までにそこに着くようにと彼はいった。昼食は食べてもいいが、何かを読んだり書いたりすること、ラジオを聴くこと、誰かと話をすることは禁止された。

 「もう1つ、3時間ごとに服用してもらう薬を出します」

 彼はそういった。

 処方せんの用紙を4枚引きちぎり、それぞれに短い言葉を書き込むと、彼はそれを折りたたんで数字を記入してから私に手渡した。

 「これらを9時、12時、15時、18時に服用してください」

 翌朝、私はだまされたつもりで海岸へ車で向かった。強い北東風が吹き、海は灰色に覆われ、荒れているように見えた。私は車の中に座った。長い退屈な1日がこれから始まるのか、と思いながら。そして、最初の紙を取り出した。そこにはこう書かれていた。

 「注意深く耳を傾けなさい」

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ