インタビュー
» 2010年03月24日 12時30分 公開

Amazon Kindle DTP:Kindle初の日本語マンガはいかにして誕生したか――電子書籍出版秘話 (2/3)

[山口真弘,Business Media 誠]

誠 Biz.ID 実作業期間はどのくらいでしたか。

小沢氏 入稿作業自体は、僕がAmazon.comのアカウントを持っていなかったので、それの取得を含めて2時間くらいですね。そこから承認が下りるまでは48〜72時間となっているんですが、48時間もかかっていない気がしますね。36時間はかかっていると思うんですけど。

誠 Biz.ID ブログで入稿体験記のエントリを書かれている最中に、すんなり承認されてしまったんですね。

小沢氏 そうです(笑)。最中に通ってしまいました。

誠 Biz.ID 申請して一発で通ったということは、いま仮に同じようにデジタル化された原稿が手元にあれば、2時間あれば登録してパブリッシュして、48時間あれば販売開始まで持っていけるということですよね。

小沢氏 そういうことになりますね。

マンガがアップロードされることを考えていない

誠 Biz.ID 1月下旬の発刊から2カ月ほど経ちましたが、版は最終的に何回差し替わったんでしたっけ。

小沢氏 計3回作りました。最後の方はけっこう技術的に安定しましたね。

誠 Biz.ID (インタビュアーのKindleの中にあるデータは)まだ初版のままなんですよ。これ、再度落としても、新しい版に差し替らないんですよね。

小沢氏 そうなんです。第二版を持っている人は第二版を削除して再度(第三版を)落としてもやっぱり第二版になるっていうのは問題ですよね。版違いの過去のデータをぜんぶ保存していて、その人が何版を買ったかというデータもAmazonサイドで持ってるという。登録の時にエディションナンバーはいくつですかと聞かれるくらいなので、なんとかしてくれてもいいと思うんですけどね。Kindleの技術フォーラムでもそのへんは話題になってて、Kindleの人もそこの問題は何とかしますって言ってるらしいんですが。

誠 Biz.ID 差し替えによって画像のクオリティはかなり向上していますよね。

小沢氏 僕も第三版は落とせないので確認できないんですよ(笑)。あ、でもこうやって見ると、このビルの窓が違いますね。ぜんぜんこっち飛んじゃってますよね。このへんがKindle DTPに任せて圧縮かけるとぜんぜん気を使ってくれないんで。

左が初版、右が第三版の画像。クオリティが格段に向上していることが分かる

誠 Biz.ID あらかじめ縮小してアップロードした場合でも、ファイルサイズの上限を超えてるとKindle DTP側で圧縮するんでしたっけ。

小沢氏 圧縮します。しかも画像サイズが小さくなって、ページ自体が小さく見えるという。なんだそれ! という(笑)

誠 Biz.ID マンガ原稿のような一枚ものの画像がアップロードされることを考えてないんですよね、きっと。

小沢氏 考えてないですね。そこはこちらも無理やり出してるんで仕方ないですよね。いまの対策としては、ブログには書いたんですが、Amazonサイドに画像をいじらせない。そのためにきっちりフォーマットに従った画像データをあらかじめ作って入稿する。ということに尽きます。縦横比と画像サイズと。あと、いわゆる可逆圧縮、TIFやPNGでずっと入稿してたんですが、あれだと最終的にJPGに変換されてしまうんですね。なのでその時点で容量が増えちゃうとやっぱり小さくされちゃうので絶対JPG。これを守ればいける気がします。

誠 Biz.ID 普通に考えるとPNGとかでやっちゃった方が、クオリティが高くなる気がしますけどね。

小沢氏 ですよね。作り手としてはそうしたいなという気がするんですが、仕方ないですね。

誠 Biz.ID あと、KindleならではのLocationという単位がありますよね。Pageの代わりの。

小沢氏 あれもよく分かんないですよね。入稿の時にプレビューという段階が一回あって、そこではじめてLocationが分かるんですけど、何回入稿しても、何が区切りになってるのかいまだに分からないんですよ。

マルチメディア化はマンガのメリットを消してしまう

誠 Biz.ID Kindleの実機はお持ちになられていないということだったんですが、今回の動作確認はどのように行われたんでしょうか。

小沢氏 Kindle for PCと、あとiPhoneです。動作確認といってもアップする前にローカルでテストをしたわけではなくて、結果通したら通ったというだけの話ですね。

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