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» 2011年08月03日 13時50分 UPDATE

ソーシャルブランディングの時代:インフルエンサーとして活躍するために (1/3)

すべてのソーシャルメディアで活躍するために必要な能力とはなんでしょうか。今回は、ソーシャルメディアで活動するために意識する必要がある「人間力」を考えます。

[大元隆志,Business Media 誠]

 今回は、すべてのソーシャルメディアで活躍するために必要な「人間力」を解説しましょう。ここで挙げる能力は、どのソーシャルメディアで活動するにしても、意識する必要があります。

キュレーション能力

 「キュレーション能力」とは、情報を収集・分析し、そこに新たな価値を見出して意味づけを行う能力です。

 これらの能力に優れた人は、優れた製品を作るのが得意ということではなく、聴衆が今求めている良質なコンテンツを見出す「目利き」であるということになります。例えば、自分が「良い」と思ったアーティストがブレイクするとか、「面白い」と思った映画は必ずヒットするという経験の持ち主、あるいは「あなたの提供する情報は役に立つ」とよく言われる人は、この才能があると言えるでしょう。キュレーション能力の高い人は、「価値ある情報を提供する人」として一目置かれ、人々の尊敬を集めます。

 キュレーション能力は、情報収集能力・情報分析力・情報感度の3つで構成されます。この3つの能力のバランスがよく、かつレベルの高い人が、キュレーション能力に優れた人と言えます。それぞれについて少し詳しく解説しましょう。

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(1)情報収集能力

 キュレーションに必要な情報収集能力は、情報を大量に集める能力ではありません。質の高い情報を集める能力です。量よりも、目的の達成に必要な情報の「質」を理解できるか否かが問われます。例えば、上司や顧客を説得するためのリポート作成で行う情報収集を思い浮かべると、分かりやすいでしょう。

(2)情報分析力

 現代はいたる所に情報があふれています。その情報1つ1つの意味を理解するだけでなく、相互の関連性や背景を理解する能力が情報分析力です。

(3)情報感度

 広い視野を持つこと、幅広い事柄に関心を持ち続ける力、新しい価値を見出す力を総合して、「情報感度」と呼びます。どんなに情報を収集しようとしても、人間は自分が関心を持っていない事柄については吸収することができません。どんなことにも関心があるとしても、関心が関心で終わるのなら、単に好奇心旺盛な人です。関心を持ち、即座に価値の有無を嗅ぎ分ける嗅覚が情報感度だと考えればよいでしょう。

コミュニケーション能力

 ソーシャルメディアのタイプによらず、キュレーション能力と並んで求められる人間力に「コミュニケーション能力」があります。

 コミュニケーション能力と言うと、「ホウレンソウ」や調整能力を連想する人が多いと思いますが、ソーシャルメディアで求められるそれは、人から好かれる能力、好感度であり、結果的に「人望」のある人を指します。ソーシャルメディアの本質は「人が人を呼ぶ」ことに求められます。この特性との相乗効果により、コミュニケーション能力の高い人の周囲には、どんどん人が集まってきます。

 この能力は「対話力」「傾聴力」「忍耐力」で構成されます。それぞれ、少しだけ見てみましょう。

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(1)対話力

 単に「おしゃべり」を楽しむ能力ではありません。意見の違いや、相手の立場の違いを理解したうえで、お互いの意見を交換する能力です。

(2)傾聴力

 ただ単に話を聞くということではありません。また「貴重なご意見有難う御座いました」などと儀礼的に繕い、返信することでもありません。自分に問いかけて下さった方に向きあい、敬意を持って話を聴き、心で受け止める能力です。きれい事のように聞こえるかもしれませんが、傾聴しているフリだけでは、必ず相手に悟られてしまいます。

(3)忍耐力

 「忍耐力」は様々なストレスに耐える力です。どんなに誠実に振舞っていても、謂れのない非難を受けることがあります。そんなとき、言い返すこともできるかもしれませんが、グッと耐え忍ぶことで、結果として周囲から一目置かれるようになるでしょう。

表現力

 どのソーシャルメディアも人と人のコミュニケーションツールですから、言うまでもなく、何らかの表現力を駆使しなければ活躍できません。文章や映像などを通じ、自分の考えや感情を表現する能力が必要です。

 これは具体的なコンテンツを作成する能力とも言えます。例えば、執筆能力の高い人がブログに文章を書けば、それがコンテンツになりますし、映像作品作りの得意な人が動画共有サイトに作品を投稿すると、それがコンテンツになります。

 前述のとおり、ソーシャルメディアには多彩な仕組みが備わっているので、多種多様な表現手段の中から、自分の得意な方法を選択することができます。とりわけ文章力と芸術的な表現力の高さは、多くのソーシャルメディアで強力な武器となるでしょう。

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(1)文章力

 伝えたい話の内容を、文章に表わす力です。ソーシャルメディアで好まれる文章力は、ビジネス文書などのように、事実だけを簡潔に整理する能力とは異なります。分かりやすく、感情の表現が上手く、読む人の感性に訴えかける文章が好まれます。

(2)芸術性

 「芸術性」は絵画や映像、音楽などを通じて人々を感動させる力です。文章以外の方法で人々を惹きつける能力が該当します。

インフルエンサーになるスキルの相関関係

 ソーシャルメディアを通じ、オンライン上でインフルエンサーになるには、多数の視聴者に対し、自分の魅力を積極的に伝えていかなければなりません。前述した1つ1つの能力を活かし、どのようにして「自分のよさ」をファンに届けるのかが問われます。このとき求められる能力やスキルについて、相関関係と期待効果のシナリオをまとめると、以下の図のようになります。

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 まず、キュレーション能力を働かせて、人々の求めている質の高い情報を収集します。次に表現能力を駆使して、魅力あるコンテンツを1つのパッケージの形にして発信します。それが評価されることで、人々から尊敬を集めます。そして、自分のコンテンツに対する反応に耳を傾けます。褒められたら感謝の気持ちを伝え、批判には素直に謝罪し、要望は次のコンテンツに活かします。そうすることで人望を集めます。こういった活動を地道に繰り返すことで、あなたは時間とともにインフルエンサーになっていきます。

 以上がソーシャルメディアで自分のファンを作るサイクルです。このサイクルを維持するには、決して「目立つ」ために焦ったりしてはいけません。大切なのは、質の高い情報を発信してファンに貢献し続けることです。自分の評判を高め、自分のコンテンツに反応してくれた人を大切にすること、感謝の気持ちでコミュニケーションを深めていくことが重要です。このことを忘れないでください。

 そしてこの「ファンを作るサイクル」こそが、ソーシャルメディア時代のパーソナルブランディングで重要な「評判を管理する能力」の中身なのです。

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