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» 2012年02月22日 14時30分 UPDATE

冬の節電DIY:冬の節電に役立つのは石油ヒーター? エアコン? 4LDKのマンションで検証 (1/2)

「何となくエアコンより石油ファンヒーターが省エネ」は本当か? 自宅での実験データを基に、両機器の暖房効率を比較した。

[奥川浩彦,Business Media 誠]

 冬の節電対策を紹介してきた本連載。今回は、自宅での実験データを基にエアコンと石油ファンヒーターの電力効率を比較してみる。

 昨夏の節電ヒット商品といえば扇風機だったが、この冬のヒット商品は石油ストーブだ。単純に節電の効果を上げるなら、電気を使う暖房器具を止めて灯油かガスにエネルギー源を移行すれば劇的な節電効果が見込める。とはいえ、灯油代やガス代は必要なので節約の面ではそれぞれの効率次第となる。今回はその辺りを検証してみたい。

 筆者宅には、エアコン、セラミックファンヒーター(電気ストーブ)、石油ファンヒーターと、3つの暖房器具がある。今回実験を行ったリビング、ダイニング、仕事部屋、キッチンがつながった広い空間には少し大型のエアコンを設置しているが、ほぼ使用していない。この空間の暖房は、石油ファンヒーターが主役となっている。だが、最近はこちらもあまり使用していない。

shk_fan400.jpg 石油ファンヒーターで暖房している空間。マンション購入時の図面を見ると、リビングダイニングが12畳、仕事部屋が6畳、キッチンが3.4畳、廊下の一部も同空間なのでおよそ22畳となる。他の部屋より大きめのエアコンも設置しているがほぼ使用することはない

 過去の領収書を調べたところ、以前は冬のシーズンに18リットルの灯油を7回ほど購入していた。それが昨シーズンは1回、今シーズンも1回、1シーズンを18リットルの灯油で乗り切っている。今シーズンは灯油が余りそうなので、最近は夜間少しの寒さでも積極的に石油ファンヒーターを使用しているがまだ半分以上残っている。来シーズンは12リットルくらいで足りるのではないかとさえ思っている。

 灯油の消費量が激減した一番の理由は暖かい服装にしたことだ。部屋の中でも外出できるようなジャケットを着て、厚手の靴下とモコモコのスリッパを履くようにしている。以前は軽装+はだしなんてこともあったが、今は靴下とスリッパの効果は絶大だと思っている。

 エアコンがあるのに石油ファンヒーターを使用している理由の1つは、電気の契約アンペアを上げないためだ。暖房を全て電気に頼るとブレーカーが落ちやすくなる。現在40アンペアで月額1092円が、50アンペアにすると1365円となる。短期で変更ができれば冬だけ50アンペアにするのだが、電力会社は1度上げた契約アンペアは1年間下げられないルールとなっている。

 もう1つの理由は、以前は何となく石油ファンヒーターの方が暖房コストが安いような気がしたからだ。今回はその「何となく」をハッキリさせたい。

エネルギーコストは灯油が1番、電気は最下位

 まず電気、灯油、都市ガス、LPガスを純粋な熱エネルギーとして比較してみたい。電気は1キロワットアワーで860キロカロリー。灯油は1リットル8767キロカロリー。都市ガスは1立方メートル1万1000キロカロリー、LPガスは2万4000キロカロリーとした。

 実際には灯油もガスもバラ付きがあるようで、例えば筆者の地元、愛知県、岐阜県、三重県圏内の東邦ガスは1万1000キロカロリー、東京ガス圏内の東京都、神奈川県、千葉県、茨城県、栃木県、埼玉県では1万750キロカロリー、群馬県は1万306キロカロリーと表記されている。それぞれのエネルギーをキロワットアワー換算し、単価から1キロワットアワーのコストを計算してみた。

分類 単位当たりのエネルギー 換算(キロワットアワー) 単価(円) 1キロワットアワーのコスト(円)
電気 860kcal/キロワットアワー 1 22 22.0
灯油 8767kcal/リットル 10.19 83 8.1
都市ガス 1万1000kcal/立方メートル 12.79 148 11.6
LPガス 2万4000kcal/立方メートル 27.91 350 12.5

 電気の単価は22円としたが、地域によっては最近はもう少し高くなっている。灯油は筆者が2011年末に買った灯油の実際の単価。都市ガスも毎月変化するが、筆者宅の料金の端数を丸めてある。LPガスはお店によってかなり差があるらしいが、プロパンガス料金消費者協会の数値を参考にした。単位当たりのエネルギーや単価はバラ付きはあるが、ある程度の目安にはなるだろう。

 1キロワットアワーのコストが最も安いのは、灯油の8.1円。次に都市ガス、LPガスときて最もコストが高いのが電気だ。元のエネルギーだけを見れば、電気ストーブの暖房が最も高コストということになる。

 以前の記事「『暖房はエアコンが圧倒的に省エネ』を自宅実験で実証」でエアコンの効率が電気ストーブより数倍優れていることを書いた。発売時期や機種、外気温などで差はあるが消費するエネルギーの数倍の熱で部屋を暖められる。

shk_fan401.jpg エアコンは外気の熱を室内に運ぶため効率よく暖房できる

 エアコン暖房の効率の目安となるのは、暖房COP(Coefficient Of Performance)=暖房能力/消費電力の値だ。仮に効率(COP)が2倍なら、22円のコスト計算は11円となり、都市ガスを抜いて2位に浮上する。効率が3倍になれば、7.3円で灯油を抜いて最も省エネ(正確には省コスト)な暖房器具となる。では、エアコンと石油ファンヒーターを実際に比較してみよう。

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