エアコンの室外機を温めると消費電力は下がる!?冬の節電DIY(1/2 ページ)

冬の節電対策を紹介してきた本連載も今回が最終回。エアコンの消費電力を下げるちょっとしたコツや、気泡緩衝材(通称=プチプチ)を使った少し大掛かりな結露対策を紹介する。

» 2012年02月27日 10時50分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

 これまで自宅の暖房器具を使った実験結果を基に、冬にできる節電対策をいくつか紹介してきた。最終回の今回は、エアコンの消費電力を下げるちょっとしたコツや、気泡緩衝材(通称=プチプチ)を使った冬場に気になる結露対策を紹介したい。

 筆者が執筆した夏の節電記事を読んだ人は、エアコンを水で冷やすと劇的に消費電力が下がったことを覚えているだろうか。実用的な話ではないが、暖房目的でエアコンを使う場合に室外機をお湯で温めたら消費電力が下がるかを実験してみた。

 実験方法は10リットルほどのお湯(50度くらい)を稼働中の室外機の背面、側面にじょうろで掛け、吹き出し口の温度、消費電力の変化を測定する。室温の測定は上段(床から175センチ)と下段(床から95センチ)。室外機の斜め上1メートルくらいで外気温も測定した。1つ目のグラフは全体を表示し、左側の軸は温度、右側の軸は消費電力。2つ目のグラフは左側の軸が室温、右側の軸が外気温を表示し小さな温度変化を拡大している。

 エアコンの温度設定は25度とした。外気温は前回の実験より1〜2度低いが似たような動作を期待していた。サーキュレーターも使い室温が24度くらいで安定、電力も700ワットくらいで安定したところで室外機を温める予定だった。エアコンを稼働すると外気温が1〜2度の低くなった影響は大きく電力はずっとフルパワーで推移、室温は22〜23度から上がらない状態で推移した。この状態が継続すると判断し20分過ぎから室外機にお湯を掛けることにした。

 10リットルほどのお湯を数回(約5分間)に分けて室外機に掛けると、1600ワットの電力は1000ワット強に減少。吹き出し口の温度は瞬間的に45度から52度まで上昇、室温はわずかに上昇した。外気温も上昇しているが、これはお湯をまいたことによると思われる。

全体のグラフ
室温と外気温の変化を拡大したグラフ

 吹き出し口の温度はすぐに元に戻ったが、わずかに上昇した室温はそのまま安定、消費電力も下がった状態を維持した。45分を過ぎると消費電力は急速に下がりアイドリング状態となった。恐らく天井付近の温度が25度になったと思われる。室温が少し下がったところで再び稼働を開始、吹き出し口の温度が少し上昇したところで1時間の実験は終了となった。

 やはり室外機を温めた効果は大きく、消費電力を下げることができた。実用的ではないが、寒い日に少しお湯を掛けてやると早く部屋が暖かくなり、フルパワーで稼働する時間も短縮。消費電力の低減が期待できる。寒波が来て部屋が暖まらないというときの緊急手段としては使えるかもしれない。

 夏は室外機の温度を下げるために日よけを設置すると効果があった。そのまま日よけを設置していると、冬は室外機への日差しを遮り温度を下げ昼間の暖房効率を落としている可能性がある。もしかすると通気部分をふさがないように室外機を黒い布で覆って温めると、昼間の電気代を下げられるかもしれない。

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