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» 2014年03月10日 11時00分 UPDATE

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー:機能不全のチームには「思い」「共感」「コミュニケーション」がない ライフネット生命 出口氏に聞く、最強チームの作り方【後編】 (1/2)

強いチームを作るためには、チームメンバーそれぞれがリーダーシップを持つことが大切です。では、どのようにしてリーダーシップを培えるようになるでしょうか。

[ベストチーム・オブ・ザ・イヤー]

「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」について

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チームで仕事やプロジェクトを進める際の考え方やヒントを探る本記事「最強チームの作り方」は、「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」より転載、編集しています。

ベストチーム・オブ・ザ・イヤーは、その年に最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを毎年表彰するアワードです。サイトでは日本の組織が持つべき「チームワーク」について、精神論ではなく、組織とメンバーがともに成長できる論理的な方法を考え、提案しています。

新しい価値を生み出すチームの”リーダーシップ”や”コミュニケーション”の考え方とはどのようなものでしょうか? 大企業から新進気鋭のベンチャー企業まで、大小さまざまな規模でチームを作ってきたライフネット生命保険株式会社、創業者の出口治明氏に、普遍的なチームの作り方を聞きました。


「名刺100枚もらってこい」なんて精神論は有害無益 ライフネット生命 出口氏に聞く、最強チームの作り方【前編】

「思い」「共感力」「コミュニケーション力」――本物のリーダーシップを考える

出口治明氏

―― 強いチームを作るためにリーダーシップが必要だと思います。改めて、出口さんはリーダーシップをどう定義していますか?

出口治明氏: リーダーシップはトップに立つ人に必要な「資質」であり、「やりたいことがあるかどうか」という話です。「これだけはやりたい」という強い気持ちに、人はついていくものです。「東北を救いたい」とか「日本の若者の自殺を減らしたい」とか、はっきりとしたやりたいことがある人を、周りの人は応援したくなる。

 ただお金儲けをしたい人に、人はついていくはずないですよね。上の人にやりたいことがあるから、下の人はついていくのです。「強い思い」をどれだけ持っているかということですし、「思い」はリーダーシップに不可欠です。

 「何かをしたい」という思いを持つことがリーダーシップの根源にあり、すべてのスタートです。何かをやりたいと旗を上げた人の周りにチームはできていくものですし、思いの強い人がいなければ、チームはできません。トップに思いがないチームは、絶対にうまくいきません。まず思いがあり、それを具体化したのが、理念やビジョンなのです。

―― リーダーの「思い」だけでチームは機能するのでしょうか?

出口氏: いくら強い思いを持っていても、言葉にしなければ(メンバーには)伝わりませんよね。下手な話し方だと共感は得られず、いつの間にかメンバーが面従腹背になってしまう。本当に強いチームを作るには、強い共感力が必要であり、それがあることでチームは出来上がる。「思い」の次には、「共感」が来るのです。

 思いを成し遂げるための仲間が「共感」でつながったら、次は旅です。いざ旅に出てみると、それは山あり谷ありです。メンバーが病気になったり、悪い局面になって動揺したりする。その時に「大丈夫」とていねいにコミュニケーションを取り、落伍者をなくしていかなければなりません。

 この「コミュニケーション力」が3つ目のリーダーシップの素養です。「思い」「共感力」「コミュニケーション力」――この3つがあれば、雨が降ろうが嵐になろうが旅はできるものです。

―― この3つを併せ持ったリーダーは多いのでしょうか?

出口氏: すべてを併せ持つ人は少ないですから、そこはチームメンバーみんなで補えばいいのです。もしリーダーが口下手であれば、「私が代わりにしゃべってあげよう」というメンバーがいればいい。女房役ですね。

―― 限られたメンバーで思いを共有し、チームの力を最大化するにはどうすれば良いのでしょうか?

出口氏: リーダーは、メンバーの「個性」を見抜かなければ話にならないのです。ですので、「人をよく見る」ことに尽きますよね。「メンバーはそれぞれどんな人なんだろう」という個性を見て、状況に応じて組み合わせていくしかありません。上げ潮の時に弱気な人を登用しても仕方ない。「この人は何が強くて弱いのか」といった得手不得手を見極め、マーケットの状況に合わせてチームを作っていく。

 困難な局面には我慢強い人を前に立てたほうがいい、諦めやすい人を出すと「しんどい」となり、それはメンバーにも伝わってしまう。局面に応じて人を組み替えていくことですね。

 どんな時に仕事が一番楽しいですか? 一番楽しいのは、上司が自分の特性を見極めて、特性に合った仕事に就かせてくれるときでしょう。「このボスは自分のことを分かっているな、やりたいことを与えられたので目いっぱい頑張ろう」という気持ちになりますよね。

「思い」をどうすればメンバーに「共感」してもらえるのか?

―― 「好きなこと」「やりたいこと」がまずあって、会社という枠を超えてチームを作った人たちを、最近よく目にします。

出口治明氏

出口氏: やりたいことが一緒であれば、そのチームのマネジメントは簡単ですよね。思いを共にしていれば、最初は良い方向に進んでいくものです。

 ただし、チームや組織が大きくなる過程では、マネジメントをきちんとやる必要が出てきます。Googleはロシア人とアメリカ人の若者が起業しましたが、二人ともマネジメントが分かっていなかったから、シュミットというマネジメントが分かる人を市場から買ってきた。そうして、組織というチームを機能させたわけです。

 人間という動物には物理的な限界があって、1人の人間が常時コントロールできる人の数は10人〜30人くらい。それを超えたら、自分の目が届かなくなりますから、きちんとチームや組織を作ってマネジメントをしなければ無理でしょう。それがチームや組織を作る根本要因ですよね。

―― 最初からみんながリーダーシップを持っているわけではない。全員にリーダーシップを持ってもらうには何が必要でしょうか?

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