同期入社の人間は、仲間であるとともに、最大のライバルだ。同期のトップを目指してがんばろう。
しかし、いつかは仲の良かった同期入社の仲間との間にも昇進の差が出てくる。たった1人のトップになれなかったら、あなたは同期の仲間の前に膝を屈することになる。つまり、どれほどがんばってもほとんどの人間は、同期入社の誰かの前に頭を垂れて決済を求める立場に置かれる運命だ。
その時になってショックを受けるのではなく、早くからそのことを肝に命じておこう。それを良しとしないのなら、早くから独立を目指して牙を砥ぐしかない。
どれほど忙しくても、社内の戦いや政治に忙殺されていても、あなたが本当に好きなことはやめるな。スポーツや読書、絵を描いたり文章を書いたりすることが好きなら、それを続けよ。
一文の稼ぎにもならなくても、それはあなたというパーソナリティを構成する大事な要素なのだ。それを続けることこそが、すべてを会社に委ねず、あなたの個性を保つ1つの生命線だ。
わずかの時間でもいいし、途切れ途切れでもいい。とにかく、大好きなことはやめるな。
与えられた仕事にあたるときは、「もっと効果的な方法はないか」「もっと儲けが出る方法はないか」と考えぬこう。
おそらく、あなたのそばにとことん考え抜いて、全力でことをすすめている人は少ない。みな日々の業務やトラブルに忙殺され、今やっていることに疑問をもつ余裕がないのだ。だからこそ、あなたが考えぬき、工夫をしつくし、広い視野で勉強しよう。誰よりも懸命にやって、それを上司に伝えていこう。
組織というものは、できる人間を殺すと思われがちだが、実はそうではない。全力で仕事に向かう人間はいないかと、眼を皿のようにして探し、引き上げようとしているものだ。もし、自分がそうしているのに評価されないとしたら、その方法を間違えているのだろう。
あなたがそういう人間になれたら、会社を去っても食べていく能力が身についていることに気づくだろう。
貪欲に正直に、欲しいものを求めよう。よい給料をもらい、素敵な恋をして、南の島のビーチリゾートでシャンパンをかたむけよう。フェラーリのオープンに乗ってぶっ飛ばそう。
しかし、歳をとった時、ふと気がつくだろう。本当に自分が欲しかったものは何か、自分がするべきことは何か、に。
いつの間にか輝きを増していたあなたの中心にある光、どれほどの闇を見てきたとしても消えない光、それを眩いばかりの明るさにしよう。
アンティーク・リサイクル着物を国内外へ販売する「ICHIROYA」代表。昭和34年生まれ。京都大学水産学科卒業後、大手百貨店に入社。家庭用品、販売促進部など。19年勤めたのち、2001年に自主退職して起業。現在に至る。趣味はブログ執筆。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.