「複式簿記」で65万円控除を獲得しよう知識ゼロでもひとりでできる! はじめての青色申告

青色申告には65万円と10万円の2種類の控除額があります。2つの違いは、帳簿の種類にあります。

» 2014年12月09日 09時00分 公開

集中連載:知識ゼロでもひとりでできる! はじめての青色申告 について

本連載は、宮崎綾子著、原尚美監修、書籍『知識ゼロでもひとりでできる! フリーランスのためのはじめての青色申告』(日本実業出版社)から一部抜粋・編集しています。

シロートのフリーランスが自力で「青色申告」したら……。

 「簿記って、勉強しなきゃ無理かな」
 「どこまでが経費として認められるの?」
 「青色申告に必要な書類はどうやって作成するの?」
 「おトクな節税のポイントって?」

なるべく税金を払いたくないフリーランスの著者が自力で「青色申告」に挑戦! 青色申告ビギナーの悩みや疑問を解決するコツやノウハウを盛り込みました。

“税理士センセー”こと税理士の原尚美氏がポイントをやさしくアドバイスしながら、簡単な方法を教えてくれます。これから青色申告を始める人の強い味方となる1冊です。


 「あなたの落としたのは金の斧? それとも銀の斧?」……ではないですが、青色申告には2種類の控除額があります。金なら65万円、銀なら10万円の控除といった感じです。2つの違いは、帳簿の種類にあります。

迷わず複式簿記を選ぶわけ

 「簡易簿記」では、控除が10万円になります。簡易簿記はおこづかい帳のようなもの。経費の計算根拠が分かればOKです。

 一方、「複式簿記で帳簿をつけ、貸借対照表をつけると控除が65万円」になります。「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」って何!? と焦ってしまいますが大丈夫。 複式簿記でも簡易簿記でも、実際にわたしたちのする作業は簡単です。青色申告対応のソフトを使って経費を入力すれば、あとは自動で貸借対照表を作れます。

税理士センセー: 複式簿記を使うと貸借対照表がつくれるので、ちゃんと帳簿をつけている目安になります。

宮崎: 自分でキチンとやりました! という証明書みたいなものですね。

損益計算書で分かる「所得」

 65万円控除の青色申告で提出する2つの書類のうち、貸借対照表ではないほうを「損益計算書(そんえきけいさんしょ)」といいます。この損益計算書は、あなたの所得を割り出す書類です。こちらはラクに理解できます。

 損益計算書で重要な言葉は「売上」「経費」「所得」の3つです。稼いだお金の総額である「売上」と、売上を上げるために使ったお金が「経費」です。売上から経費を引いた金額のことを税金の世界では「所得」といいます。

 同じ1万円の売上も、5000円で商品を仕入れて売った場合と、何も仕入れずに儲けた場合とではずいぶん利益が違います。つまり、税金がかかるのは稼いだお金の総額ではなく、仕事のためにいろいろ使ったお金を差し引いた残りの所得に対してです。

POINT

  • 「複式簿記」で「65万円控除」を獲得しよう
  • 必要な「貸借対照表」はソフトが自動で作成
  • 「損益計算書」は今年の売上と経費、所得を明らかにして申告する書類

プロフィール:

宮崎綾子(みやざき・あやこ)

神奈川県出身、編集者。和光大学人文学部芸術学科卒業。在学中より編集プロダクションに勤務。PC、インターネット関連の技術書籍の編集や制作などに携わる。

2009年よりフリーランスとなり、アマルゴンを運営。幅広いジャンルの記事取材、執筆、編集を行う。執筆や編集に携わった書籍、ムック多数


原尚美(はら・なおみ)(監修)

税理士。東京外国語大学英米語学科卒業。スタッフ全員が女性だけの「原&アカウンティング・パートナーズ」を主宰。一部上場企業の子会社や外資系企業から中小企業まで幅広いクライアントを持ち、企業会計、財務の現場に強い。

地に足のついた経営支援を行い、クライアントの9割が黒字の実績を誇る。


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