何を目指して働くの? イマドキの大学生に聞いてみた「終身雇用」はお断り?(4/5 ページ)

» 2014年12月12日 10時00分 公開
[西山武志,Business Media 誠]

「好き」に賭けるか、「時代の波」に賭けるか

Photo モデレーターの吉田氏

――Tokyo Work Design Weekの初日に、スープ専門店「Soup Stock Tokyo」などを運営する株式会社スマイルズの遠山正道さんの講演を聞いたんですが、彼は「自分の仕事は恋のようだ」と話していました。それは、短期的な収益性よりも「好きなことを仕事にする」というロジックなんですね。

 周りからはいろいろと批判もされるようですが、そんな彼を慕う人たちが集まるから、結果的に良質なビジネスが成立している。一方で、自分の好みは関係なく「このビジネスはこれから波に乗りそうだ」という観点から仕事の内容を決める人も多いでしょう。

 2人は「好きだから仕事にする」というのと、「波が来そうな分野だから仕事にする」というスタンス、どちらに共感しますか?

徳江: 僕は前者です。これから当たりそうな分野も魅力的ですが、そもそもやることを好きになれないと、波が来るまで我慢ができないかもしれないので。

――波が来そうな仕事が、ものすごく稼げると分かっていても?

徳江: そうですね。もし、やりたいことに多くの資金が必要ならば、そのためにはたくさん稼ぎます。

佐藤: すっごく迷うんですが……自分が少しでも興味が持てて、そこで働いても苦にならないのであれば「波の来そうな仕事」を選ぶと思います。たとえ直接的にやりたいことに携われなくても、その仕事を全力でやっていれば、いつか自分がやりたい仕事にするときに活かせると思うから。

――なるほど。「やりたいこと」がまだ決まっていない徳江くんが「好きな仕事」にしぼる考え方で、「やりたいこと」が何となく見えている佐藤さんが「それ以外の仕事」も柔軟に視野に入れているというのは、逆説的で興味深いですね。

 最後に、これから社会に出る前に、学生生活でやっておきたいことはありますか?

佐藤: これまでの学生時代、ほとんどサークルに時間を費やしてきました。その中で、自分がやりたいことに取り組んでいるはずなのに「面倒だな、もうイヤだな」と思うことも多々あって。そのたびに「自分の意志でここに入ったんだろ」って、自分に言い聞かせていたんです。もちろん、楽しいこともたくさんあったし、ここまで続けてよかったなと心から思っています。ただ、サークル活動を通して「やりたいことをやるには、やりたくないことも受け入れなきゃいけない」というのは、身をもって感じました。

 すみません、前置きが長くなってしまいました。つい最近、そのサークルを引退したばかりなので……今はひたすら遊びたいです(笑)

徳江: 僕は、なるべく何もしない時間を作らないようにしたいなと思っています。予定なく、家でだらだらは絶対にしたくない。自分が知らないこと、行ったことない場所など、未知の機会に積極的に飛び込んでいきたいです。今は興味を広く持って気のおもむくままに動いて、少しずつ自分の「やりたいこと」を明確にしていきます。

――2人とも本当にシッカリしてますね、学生時代の自分に見習わせたいな……(笑)。今日はありがとうございました!

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