自社で開発したWebアプリケーションをテストする飲食店「極鶏.Bar」を経営する、異色のアプリ開発会社「セカンドファクトリー」。後編では、飲食店ならではと言える「kintone」の活用法に迫る。
自社で開発したWebアプリケーションをテストする飲食店「極鶏.Bar」を経営する、異色のアプリ開発会社「セカンドファクトリー」。サイボウズの業務システム構築アプリ「kintone」を導入し、さまざまなシステムを活用しているとのことで取材をしてきました。記事後編では、同社の飲食店ならではの「kintone」活用法に迫ります。
前編では「シフト・勤怠管理システム」と「予約システム」について紹介しましたが、後編では「会員管理システム」、「発注システム」、「お弁当注文システム」を詳しく見ていきます。
今まではマイクロソフトのデータベース管理ソフト「Access」で会員を管理していたそうですが、Accessの場合、各店舗のPCごとにソフトをインストールする必要があり、データも店舗毎に散在している状態でした。そこでkintoneを導入し、情報を一括で管理することにしたのです。情報をまとめることで、トラブルが起きたときにもスムーズに対応できるようになったといいます。
現在は会員の管理のみに利用している状況ですが、今後はIDとレシートを紐付けて誕生日割引を反映したり、お客様がどのような食事を注文したか、何人で来店したかというデータも集計して店舗経営に活用したいとのこと。さらに円滑にデータを集計するためにセカンドファクトリーの自社オーダーシステム「QOOpa」を改良も進んでおり、今後はkintoneとQOOpaのさらなる連携が期待できそうです。
発注についても、紙面上で手続きを行い、Excelで在庫管理を行っていたそうですが、フランチャイズの店舗である戸塚店では本部からの材料の発注をkintoneで行うようになったと言います。材料は料理の品質に関わるので、本部やオーナーが随時、状況を確認できるようにしたい――という目的でこのシステムができました。どの店舗でも品質が保証された味の料理を提供するという「極鶏.Bar」のこだわりが表れています。IT企業とは思えない、飲食店としてのプライドを垣間見た気がしました。
ちなみに、このシステムを試験的に運用をしているうちに、フランチャイズのオーナーさんから「全商品が一度に表示されているので、注文しやすいように商品を絞り込める機能を追加してほしい」という要望が出たそうで、今後も改良を重ねていくとのことでした。
社内では「極鶏.Bar」からのお弁当を注文する際にもkintoneを使っています。これまでは、注文表に記入して注文していましたが、kintoneを導入してから注文がスムーズにできるようになったそうです。
これも実際に運用をはじめてみると、注文を間違えたときに修正できないため、修正するにはメールで連絡する必要があることや、確認画面がないため、間違えて注文したことに気付かないことがあるといった課題が出てきたと言います。確かに注文内容の確認ページなどが表示され、確認後に修正できたら注文ミスはぐっと減るはず。今後の改良に期待です。
極鶏.Barは、今夏に江ノ島で“海の家”として開店するそうで、そこでもkintoneを使ったシステム展開を計画しています。移動式の屋台店舗では、タブレットやスマートフォンから閲覧や編集ができるkintoneの活躍する場が増えそうです。(初月ヘチマ)
※この記事は、誠ブログの飲食とIT企業、異色の組合せ―kintoneは飲食業界でどのように活用されるのか―(後編)より転載、編集しています。
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