孫正義氏が掲げる「300年ビジョン」の意味世界トップリーダー1000人が実践する時間術(4/5 ページ)

» 2015年08月10日 06時00分 公開
[谷本有香ITmedia]

ピンチのときこそ強いビジョンで心をつかむ

 「ビジョン」について語るなら、スターバックスのハワード・シュルツ氏のエピソードも外せません。彼はスタバの経営状態が悪化したとき、「今のスタバの経営状態は最悪だ。でも僕にはスタバをもっと大きくする志がある。ビジョンがある。だから安心してついてきてくれ」と従業員に言い、その後のビジョンを具体的に語ったそうです。自身のビジョンで従業員の心をつかんだのです。

 その後、言葉通り経営を立て直すことにも成功し、スタバは今も世界中で愛されています。

 ピンチが訪れたときにも、リーダーの語る未来のビジョンが明確であれば、従業員はついてきます。それだけでなく、「頑張ってともに会社を立て直そう」と、従業員の心をポジティブ転換することもできるのです。自分の目標のために最大限のパフォーマンスを発揮してくれる部下を育てることも、トップリーダーが実践する時間術の1つ。

 まわりからのサポートが多ければ多いほど、純粋に自分の能力を生かすために使える時間が増えるからです。頼れる人脈やメディアは、時間の優秀な「レバレッジ材」となります。

 彼らがビジョンを掲げる時期はそれぞれですが、子どもの頃から「時代の開拓者」的なイメージを抱き、人生のゴールについて考えていた人が多いようです。孫さんの「坂本龍馬」のように、歴史上の人物と自分を重ねて構想を膨らませるケースもあります。

 なかには、ユニクロの柳井正氏のように、事業規模の拡大に従ってビジョン力を身につけていく有能なリーダーもいますが、これはどちらかというとレアケースでしょう。

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