冷蔵庫に残っている野菜を使って、料理をつくりたい。そんなときにレシピ投稿サイト「クックパッド」を利用したことがある人も多いのでは。いや、普段料理をしない人でも一度は投稿された写真を見たことがあるのではないだろうか。
そのクックパッドが“数時間後の未来”を予測するサービスを提供している。こんなことを書くと、「分かるわけないじゃないか」「インチキ臭い」と思われたかもしれない。もちろん『ドラえもん』に出てくるような“タイムマシンが完成した”といった話ではない。利用者がサイトで検索した言葉を分析して、「いつカレーをつくりたいと思っているのか」「どういったカレーをつくりたいと思っているのか」といった感じで、食のニーズをいち早くつかむことができるのだ。
サービス名は「たべみる」。どんな機能が搭載されているのかといった説明をする前に、企業がこのサービスを使ってどのような効果があったのかをご紹介しよう。
2015年1月末、東海地方のある大手スーパーで「甘酒」が前年に比べて150%も売れた。例年、甘酒は小正月を過ぎれば、売場を縮小する。しかし、そのスーパーの担当者は「たべみる」の「きてるランキング」(生活者が関心を持っている食のキーワード)の画面で、「甘酒」が人気ワードにランクインしていることに着目。「ひょっとしたら、自分の店でも売れるのではないか」と思い、甘酒を積極的に展開したところ、この時期では考えられない売り上げになったのだ。
それにしても、なぜ「甘酒」が上位にランクインされたのか。しかも東海地方だけである。調べてみると、東海地方のテレビ番組で「甘酒」が取り上げられていたので、それを見た人たちが「甘酒を使った料理をつくりたい」という気持ちになって、クックパッド上で検索したのだ。
このように「たべみる」は「料理をする人が何を求めているか?」――という心の変化を“知る”ことができるのだ。サーバに日々蓄積されているデータから、どういったことが分かってきたのか。事業責任者の中村耕史さんに、生活者の食に対する行動を聞いた。聞き手、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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