さて、エコのためにひと肌脱ごうと言う人は確かにいるのだが、エコのためにどこまで我慢できるかといえばしれている。移動のため2時間歩ける人はほどんどいないだろう。そういう負荷の高いエコは無理だ。だからお金で解決できる範囲に限られる。
そういう意味で、2016年の今、最も痛みが少なく、貢献メリットが大きい製品として、プリウスPHVはとても優れている。バッテリーで60キロ走れるようになって商品力は高まったし、冷暖房の問題も恐らく解決される。それに走る方もきちんと平均点に達している。素晴らしい商品力だ。
ただ、筆者は思想的に明らかに後退した部分があることから目が背けられない。お客さまは神さまだ。逆らえない。エンジニアが貫こうとした正義を、筆者は神さまに一生懸命説明したつもりだったが、ついに聞き入れられることはなかった。
1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。
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