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» 2016年05月31日 08時00分 公開

スピン経済の歩き方:「石原さとみの眉が細くなったら日本は危ない」は本当か (2/5)

[窪田順生,ITmedia]

「細眉」が流行する時代

戦後、オードリー・ヘプバーンのような「意志の強そうな角型の太い眉」が流行する

 別に石原さんのおかげで、細眉メイクが流行ってもいいじゃんか、と思うかもしれないが、日本経済にはあまりよろしくない。「細眉」が流行する時代というのは、「景気が悪い」と相場が決まっているからだ。

 聞いたことがある人も多いだろうが、女性のメイクと日本経済には不思議な因果関係がある。景気が良いと眉が太くなり、赤などの明るい色の口紅が流行する。その逆に景気が悪いと、眉が細くなる、なんて言われているのだ。

 もちろん、科学的に説明がつく話ではない。ただ、歴史を振り返ってみると、そんなにバカにできた話ではないのだ。

 資生堂研究所のトップヘア&メーキャップアーティスト鈴木節子さんが、1920年から現在までのメイクのトレンドを再現した「日本女性の化粧の変遷100年」を見ると、景気はさておき日本社会のムードが「女性の眉」になにかしらの影響を与えている事実が浮かび上がる。

 まず、1920年代は「細く下がった眉」、30年代も細さはキープされ、「アーチ型につり上げた眉」が流行する。では、この「第1次細眉ブーム」のころの日本経済はどうかというと、かなり苦しい時代だった。

 第一次世界大戦後の特需が終焉(しゅうえん)を迎え、いわゆる「戦後恐慌」を迎え、関東大震災(1923年)、世界大恐慌(1929年)でさらに追い討ちをかけられる。満州事変(1931年)によって製造業などは「戦争特需」が再び始まったが、地方の農村部や庶民の暮らしはなかなか改善しなかった。

 太平洋戦争を経て、戦後復興に沸く1950年代の日本では、オードリー・ヘプバーンやエリザベス・テーラーというハリウッド女優への憧れから、「意志の強そうな角型の太い眉」が人気となる。この太眉ブームは高度経済成長期に入ってからも継続し、60年代は「立体的な眼の大きな西洋人モデルのようなアイメイクキャップが流行」する。

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