東京五輪に襲いかかる「ドーピング丸投げ裁定」のツケ赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2016年07月28日 07時00分 公開
[臼北信行ITmedia]
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IOCのドーピングスキャンダル

 奇しくも25日にはロシアの国家ぐるみのドーピング隠ぺいについて内部告発した陸上女子中距離のユリア・ステパノワ選手と、夫で同国反ドーピング機関の職員だったビタリー氏がリオ五輪出場を認めなかったIOCに異議を申し立てた。ステパノワはIAAFから内部告発したことを考慮されて中立選手として出場を当初認められていたが、最終的にはIOCから「過去に違反歴のある選手に変わりはない」として参加を認められず、代わりにゲストとして招かれる方針が決まっていた。

 そのIOCのゲスト招待を拒否する考えを明かしたステパノワは「内部告発者を罰しているようではドーピングと闘うことができない。今後もドーピングは続くだろう」とロイター通信などに怒りをぶちまけている。

 こうした側面も含めIOCのドーピングスキャンダルに対する線引きのミスは4年後の東京五輪開催を控える日本が大きな代償を支払わされるハメになってしまうかもしれない。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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