土肥: 1970年代の前半までは、プールの授業で生徒は水泳帽子をかぶっていなかった。しかし、1970年代の半ばから徐々にかぶり始めたんですよね。ということは、その光景を見て「なんだこれは!? ウチでも水泳帽子をつくったら儲かるはず!」と考えた会社があるのでは?
磯部: 「水泳帽子が売れる」ということが分かれば、当然他社も黙っていません。いくつかの会社が参入してきました。
土肥: 失礼な話、水泳帽子って複雑なモノではないですよね。アパレルメーカーであれば、つくろうと思えばつくれるはず。差別化をどのようにして図ってきたのでしょうか?
磯部: 2つあるかなあと。1つは先ほども申し上げましたが、現場からの要望に「それはできません」とお断りしたことがないこと。
もう1つは、次々に新商品を出してきたことかもしれません。例えば、初期のころの帽子をかぶって泳いでいると、帽子と頭の間に空気のたまりができていました。空気のたまりができると泳ぎにくいので、次にメッシュの素材を使った帽子をつくったところ、その課題を解決することができました。次に「もう少し伸びたらいいなあ」という声があったので、伸縮性のある素材を使った帽子をつくりました。
現場からの声だけでなく、こんな風にしたら生徒さんたちは使いやすいのでは、といったことを考え、新製品を出してきました。「差別化は何ですか?」というご質問に、2つの答えを出したましたが、合っているかどうか分かりません。ただ、私たちがチカラを入れてやってきたことは、この2つなんですよね。
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