インタビュー
» 2016年09月28日 06時00分 UPDATE

水曜インタビュー劇場(えのすい公演):過去最高! 新江ノ島水族館がV字回復したワケ (1/7)

新江ノ島水族館(えのすい)の来場者数が好調だ。2004年にリニューアルしてから、来場者数は減少傾向だったのに、2014年にV字回復。翌年には、過去最高を記録した。ここ数年、えのすいで何が起きているのか。広報室長に話を聞いた。

[土肥義則,ITmedia]
新江ノ島水族館の来場者数が増えている

 「キャー、なにこれ!? スゴーい!!」「うわー、キレイ!!」といった歓声が、ひっきりなしに聞こえてくる水族館がある。神奈川県藤沢市にある新江ノ島水族館(以下、えのすい)だ。

 一度でも足を運んだことがある人であれば、記憶に残っているかもしれない。入口のゲートをくぐって、まず目に入ってくるのが、どーんと広がる相模湾の景色である。左に目をやると江ノ島を見ることができ、右に目をやると富士山を望むことができる。絶好のロケーションにある「えのすい」に、ここ数年たくさんの人が押し寄せているのだ。なぜか? その疑問にお答えする前に、水族館の歴史を簡単にご説明しよう。

入口のゲートをくぐると、目の前に相模湾の光景が広がる

 えのすいの前身・旧江ノ島水族館は1954年に誕生。映画会社「日活」の社長(堀久作氏)がドライブの途中で片瀬海岸西浜に立ち寄った際、「この地にふさわしい水族館をつくりたい」と考えたのが始まり。「へー、そんなに昔からあるんだ。でも、終戦後10年も経っていないころにつくったモノだから、たいしたことはないんでしょ」と思われたかもしれないが、実は結構スゴいのだ。

 戦前の水族館は、季節限定でオープンしていた。どういうことか? 水温を一定に保つ技術がなかったので、例えば「春から秋まで営業しますね」といった感じで、冬はお休みしていたのだ。ところが、えのすいは当時の最新技術を導入して、一年中オープンすることに。また、いまや水族館になくてはならない「イルカショー」「イワシの群泳」「クラゲの常設展示」などは、すべて“えのすい発のアイデア”である。

 近代的な水族館をウリにしていたが、月日の流れに逆らうことはできず、建物は老朽化。珍しい魚や人気のある生物を展示することで、なんとか営業を保ってきたものの、来場者数はジリジリと減少していった。「このままではイカン。かつての栄光を取り戻さなきゃ、ダメだ」ということで、2004年に現在の水族館が完成。初年度の来場者数は180万人と見事に“再生”を果たしたものの、その後は再びジリジリと減少していき、2013年は130万人ほどに低迷していた。

 こうした数字を目にすると、「そりゃあ、日本にはたくさんの水族館があるからね。リピーターはなかなか増えないよ」と思われたかもしれないが、2014年にV字回復。来場者数は172万人に。その勢いは衰えず、2015年は183万人と過去最高を記録したのだ。さらに、今年も過去最高を上回るペースで来場者数が推移している。

 ここ数年、えのすいで何が起きたのか。なぜ多くの人が足を運んだのか。広報室長の高井純一さんにその理由を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

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