土肥: 今回の取材は、高井さんと水族館を回りながら話を聞かせていただきました。関西出身のワタクシとしては、どうしてもこのひとことを言いたくなるんです。
高井: 何でしょうか?
土肥: 関西で住んでいるカップルは水族館でデートをしたあとに、このような会話をすることがあるらしいんです。
彼氏: さっき見たアジって、おいしそうやったなあ。
彼女: ウチはウナギを見て、蒲焼を想像したわ。
彼氏: ほな、これから寿司食いに行く?
彼女: めっちゃ、うれしい! 行こ、行こ!
実際に、こうしたやりとりを聞いたことはないのですが、この話を関西出身の人にすると「分かる、分かる。寿司を食べたくなる」といった声をよく聞くんですよね。でも、関西出身以外の人に聞いたら「え〜、残酷」といった感じで、軽蔑のまなざしを向けられました。水族館で魚を見て、そのあとに寿司を食べたくなる心理ってどのように思われますか?
高井: いいですねえ! 魚を見て「おいしそー」「うまそー」と感じていただけるということは、元気な魚を見ている証拠だと思うんですよ。
土肥: 確かに。死んだような魚の目を見ても、食欲はわきませんよね。「今日は焼肉屋に行くか」となるかもしれない。
高井: 「寿司屋に行こう、行きたい」と思うのは、活きのいい魚を見ているから。そして「食べたい」「おいしそう」という会話は、私たちスタッフにとって“称賛の言葉”になります。
土肥: なるほど。えのすいでは、シラスを展示していますよね。さっき目にしたとき「食べたいなあ」と思っていたんですよ。
高井: ぜひ、シラス丼でも。
(終わり)
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