“泥試合”を強行した日本のプロ野球は、やっぱりおかしい赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2017年10月19日 11時28分 公開
[臼北信行ITmedia]

 そもそも無理があったということかもしれない。ここに来て日本プロ野球のセ・パ両リーグで行われているクライマックスシリーズ(CS)に“限界論”が持ち上がっている。

 事の発端は10月15日に甲子園球場で行われたセ・リーグのCSファーストステージ第2戦。セ・リーグ2位の阪神タイガースが同3位の横浜DeNAベイスターズを本拠地で迎え撃つ試合が激しい雨のため、開始が63分遅れで強行されたことにあった。

 降りしきる雨は試合中、強弱を繰り返しながらも一向に止まず通常のレギュラーシーズンならば中止になって当然のレベルだった。ところが途中でグラウンドに盛り土が入れられながら結局9回の最後まで試合は続行され、DeNAに凱歌(がいか)があがって1勝1敗となった。

 プレーする選手たちは本音を言えばたまったものではなかったはず。グラウンドには大きな水たまりが随所にでき上がったおかげでユニホームは泥だらけになり、文字通りの“泥試合”だった。今までの日本プロ野球では見たこともないようなグラウンドコンディションの中でプレーを強いられた選手たちは一歩間違えば、大ケガをしてしまう危険性もあった。しかしながらそれでも中止にならなかったのは、背景でさまざまな諸事情が複雑に絡み合う要素があったからである。

 やはり1つは曖昧な決着によってCSそのものの存在意義に再び疑問符が投げかけられてしまうことを、セ・リーグひいては日本プロ野球機構(NPB)側が恐れたからではなかったか。この第2戦を中止にした場合、翌16日が第2戦、17日が第3戦の予定となっていた。だが当日の天気予報によれば16、17日も雨模様となっていたことが話をややこしくした。ちなみにCSファーストステージは先に2勝したほうが勝ち上がるシステムだ。

クライマックスシリーズ限界論がでている
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