土肥: 道の駅の数をみると、ものすごい勢いで増えていますよね。1993年は103駅だったのに、2000年には600駅を超えている。なにがきっかけでこれほど増えたのでしょうか?
守屋: 90年代後半に直売所ブームがありました。実際に現地に足を運んで、地元の食材を購入する。そうした人たちが増えたこともあって、それまでは「とりあえず休憩場所をつくっていればいいんでしょ」といった考えだったところも、このころから観光で来てもらえる場所として工夫するところが増えてきました。
土肥: そー言われてみると、そのころスーパーに行くと、野菜に農家の写真を貼っているところが増えていたような。POPに「このジャガイモ、ワタシがつくりました」などと書かれていて、おじいちゃんの顔写真がペタッと貼られていて。
話は変わりますが、人気のあるところと、そうでないところがありますよね。クルマで行っても駐車場は満車で、道路が渋滞になっているところも。その一方で、駐車場にクルマは少なく、施設のなかはガラガラのところも。同じ「道の駅」の看板を掲げているのに、なぜこのような差が生まれているのでしょうか?
守屋: 自治体は運営者に対して協力しているのか。地元住民は駅に対して愛着を感じているのか。関係者が協力しあって、「困ったことがあればなんでも言ってくださいね」といったコミュニケーションができていれば、好調のところが多い。逆に、自治体が「運営はあなたたちに任せているので、あとはよしなに」といった姿勢を見せているところは、苦戦しているところが多い。
土肥: 「あの人、どーも好きになれないから、ウチは卸さないよ」といった農家が出てくる。結果、店頭に商品が並ばなくなるとか?
守屋: はい。非協力的な人が増えてくると、うまく回らなくなるんですよね。一方で、運営に積極的できちんとした関係性を築けているところは、「○○さんの野菜、おいしいね。また、置いてくださいね」といった会話が交わされている。運営者と地元住民の関係が良好であれば、並ぶモノが違ってくるんですよね。
自分がつくった野菜が店頭に並んでいると、気になりますよね。「売れているかなあ。どうかなあ。ちょっと駅に行ってみるか」となって、足を運ぶ。そこで、おいしそうなモノが並んでいたら「ちょっと買ってみるか」となる。そうした新たな発見があると、「ウチもこうしたモノをつくって売ろうかな」となる。これまでになかった新たな取り組みが次々に生まれてくるので、駅が活性化していくんですよね。そうした駅を訪問した観光客は「ここいいね」となる。
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