ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、同社は「流通のタイミングを読み間違え、スーパーなどの取引先に旧商品の在庫がある状況で新商品を供給してしまった」(経営企画部 グループ企画課、以下同)と市場への浸透が遅れた理由を説明する。
「当社側は一斉に商品を切り替えたかったが、取引先は返品を防ぐために売り切ることを優先させた。そのため、旧商品の在庫が完売するまでは新旧両方の商品が市場に混在した状況が続いた。新商品が広く流通し始めたのは、発売から1カ月後の8月頃だ」という。
風味については「顧客は新しい味を気に入っていると判断しているが、一部から『前の味も良かった』との指摘が届いていることは事実」とした。
エバラのIR資料によると、「黄金の味」の拡販・販管費用を抑えたことも経常利益・最終利益の上方修正に寄与したという。一連の経緯によって新商品が苦戦している中で、なぜ宣伝に投じる費用を削減したのか。
エバラは「競合他社も含め、市場では焼肉のたれの“値下げ合戦”が続いている。当社は新商品の品質に自信を持っているため、あえて宣伝費用を抑えることで価格面の競争力を保つ方針をとった」と説明する。
今後の「黄金の味」の販売戦略については「現在詰めている段階で、決定事項はない」という。エバラは40年にわたって愛されてきた定番商品をより多くの食卓に届けられるのか。注目である。
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