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» 2018年05月17日 15時00分 公開

国内100社導入めざす:海外子会社の不正、防げますか? キリバが日本で広める「戦略財務」

財務管理ソリューションを提供するキリバ・ジャパンは、2020年に日本の導入企業数を現在の2倍となる100社に増やす目標を発表。戦略的な財務管理の必要性が注目されつつある中、日本市場で存在感を強めていく考えだ。

[ITmedia]

 財務管理ソリューションを提供するキリバ・ジャパンは5月17日、2020年に日本の導入企業数を現在の2倍となる100社に増やす目標を発表した。海外進出する企業が増える中、海外子会社による不祥事が相次いで発覚するなど、戦略的な財務管理の必要性が注目されつつある。100カ国以上に1800社の顧客基盤を持つキリバのソリューションの認知度を高め、日本市場で存在感を強めていく考えだ。

photo 財務管理ソリューションのキリバ・ジャパンは、日本企業に戦略的な財務管理の必要性を広めていく(出典:キリバ公式Webサイト

海外子会社の資金が見えていない

 日本企業のグローバル化によって、財務管理の問題が顕在化してきた。住設機器大手のLIXILグループは2015年、海外子会社の不正会計処理によって損失を出した。子会社からの報告を信用したために、不自然な資金の動きを把握できなかった。不正までは起きていなくても、自由に使える資金がどの程度あるのか把握できていない企業は多い。

 なぜそんな問題が起こるのか。それは、日本企業が「会計管理」のみ強化してきたからだ。法規制があるため、会計処理には多大な投資をしてきた。一方、「今、どこに、どれくらいの資金があって、どのくらい使えるのか」を把握する「財務管理」は、子会社からの報告をもとに表計算ソフトや手作業で処理している企業が多いのが現状だ。

photo 米Kyribaのジョンルーク・ロバート会長兼CEO

 来日した米Kyribaのジョンルーク・ロバート会長兼CEOによれば、日本法人キリバ・ジャパンを設立した12年当時、さまざまな企業のCFO(最高財務責任者)と話したところ、「会社の資金全体を把握していない」「為替リスクなどに備えて資金を保護していない」「グループ会社の支払い業務を管理していない」ことが明らかになったという。一元的な財務管理でそのような問題を解消するソリューションを提供し、現在では大手企業を中心に国内50社に導入されている。

 ロバート会長兼CEOは「日本企業におけるCFOの役割は大きくなってきている。今後2〜3年で、日本の収益がキリバ全体の10%になることを期待している」と目標を語った。

国際競争力向上の“武器”に

 キリバが提供する製品「キリバ・エンタープライズ」の大きな特徴は、インターネット接続環境があれば導入できる、クラウド型のシステムであること。海外子会社の資金状況をリアルタイムで把握できる。対応する業務も幅広く、資金管理、銀行取引、支払いなど、必要な機能を選択して導入できる。

 さらに、世界1000以上の金融機関との接続実績を誇るマルチバンク接続機能がある。各子会社が持つ銀行口座を可視化し、その資金を集約し、適切に再配分することができる。それによって、余剰資金の洗い出しや支払利息の削減、業務の効率化が可能になる。

photo 4月に就任した、キリバ・ジャパンの小松新太郎社長

 現在の国内導入企業のうち、約7割が売上高1000億円以上。今後も、海外に複数拠点がある大手企業をメインターゲットに、顧客を広げていく。4月に就任した、キリバ・ジャパンの小松新太郎社長は「財務部門の業務の重要性が経営者に伝わっていないのが現状。キリバのソリューションが武器になるという認知度を高めていきたい」と意気込みを語った。

 日本CFO協会の谷口宏専務理事も「多くの企業が財務人材育成の必要性を理解しているが、データ収集の仕組みがなく、優秀な人材もいない状況でOJT(On-the-Job Training)は機能しない。まずは海外の先進企業が実践している財務管理手法を取り入れて、1つ1つ学んでいくことが重要」と述べた。日本企業の国際競争力強化に向けて、一元的なデータ管理が欠かせないことを強調した。

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