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コンビニとネット通販に対抗 老舗洋菓子チェーンの新戦略ビジネスモデルの転換(2/3 ページ)

» 2018年05月17日 17時16分 公開
[昆清徳ITmedia]

舗洋菓子チェーンの新たな出店戦略

 こういった購買行動の影響を受けて、老舗洋菓子チェーンは出店戦略を見直している。

 シャトレーゼは郊外に出店することで成長してきたが、少子高齢化と都市部への人口流出で03年には505店あった店舗数が09年には431店にまで減った。現在、店舗数は回復基調にあるが、国内事業は頭打ちの状況なので海外事業に力を入れているという(参照記事:日経ビジネスオンライン「シャトレーゼ、郊外で鍛えた力を海外で生かす)。

 路面店や百貨店から軸足を移す動きもある。TPCマーケティングリサーチの調査によると、不二家は近年、関東地方の路面店を中心に不採算店を多数閉店している。一方、増加傾向にあるのが駅ビルやショッピングセンターといったインショップ型の店舗だ。不二家レストランなどを除く約900店のうち、路面型店舗の割合は20%にとどまるが、ショッピングゾーン店舗は68%、駅前の店舗は12%となっている。不二家は変化する消費者のニーズに応えるために「今後新しいタイプの店舗の開発を検討、展開予定」(担当者)という。

 首都圏を中心に約400店舗を展開している銀座コージーコーナーの広報担当者は「路面店より総合スーパーといった複合施設の店舗で購入するお客さまが増えた」と説明する。百貨店に軸足を置いて成長してきたモロゾフは「百貨店の撤退が相次いでいるので、別の販路を強化している」(広報担当者)という状況だ。

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