――スポーツ観戦の分野では、DAZN(ダ・ゾーン)のようなスポーツのライブストリーミングサービスが伸びている。今後、こうしたサービスを手掛ける予定はあるのか。
木村氏: 可能性はあるが、その場合はユーザーが友達と一緒に試合を見られるようにしたい。1人で画面と向き合っていても、観戦で湧き上がってきた感情が昇華されないからだ。
サッカー日本代表の試合を見ていて、「本田圭佑選手がうまかった」などと誰かに話したくなる人は多いだろう。それができるように、異なるユーザー同士が同じコンテンツを見て楽しめる仕掛けを作ることも視野に入れている。
Webサービスはパーソナル化が進み、市場では個人の興味に応じたコンテンツを提供するのが主流だ。だが、1人だけを満足させるのはミクシィの仕事ではない。渋谷でワールドカップを見て、集団で盛り上がるような楽しさを演出していきたい。
どんなビジネスになるか、根幹の部分は近々発表する。
――「モンスト」をはじめとする従来の主力事業と、ウェルネス、スポーツ関連の新規事業は路線が大きく違う。今後はスポーツビジネスの企業に変わっていくのか。
木村氏: 「徹底した顧客視点で物事を考え、新たな事業を生み出す」という方針は全くブレていない。当社は「コミュニケーションが足りていない分野はどこか」「どんな対話を生み出せるか」という視点から新規事業を決めている。それが今回はヘルスケアやスポーツだったということだ。
モンストを世に出す前、人気だったゲームアプリは1人遊びのものばかりだった。だが私は「友達が集まってプレイできれば楽しいんじゃないか」との発想からモンストを思い付いた。
私はミクシィは「コミュニケーション屋さん」だと考えており、そのスタンスは変わらない。今後も世の中で不足していているコミュニケーションを見いだし、当社に何が求められるかを考え続けていきたい。
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