棚効率を上げるためにコンビニは試行錯誤を重ねた。例えば、一定以上の面積がある店舗では品ぞろえが増えることによって、廃棄ロスも増えることが分かってきた。
また、店舗が広すぎると店内の清掃や品出しに時間がかかるので、人手が必要になる。人件費をなるべく減らし、利益率を上げるための適正な面積も研究された。
こういった試行錯誤を経て、標準的な店舗面積である50〜60坪が生まれていったそうだ。
ローソン場合、初期の店舗面積は現在の標準店舗よりもやや広めだったという。「当時、スーパーの見よう見まねで、店舗内で調理して総菜を販売していたことがあったが、『スーパーで買えるものはコンビニで買わないよ』というお客さまが多く、あまり支持されなかった」(池田氏)ため、店舗面積を縮小させていった経緯がある。
このようにして標準的な店舗面積が決まっていったのだが、60坪以上の“巨大コンビニ”もたまに目にする。こういった広い店舗があるのはなぜなのか。
池田氏によると、車での来店者が多い店舗で、イートインコーナーを充実させるコンビニは面積が広くなるという。車を運転するお客にイートインコーナーで休憩してもらうことで、商品のついで買いを狙っているのだ。また、調剤薬局などを店内に併設している店舗は面積が広くなる傾向がある。
それでは、20坪以下の“ミニコンビニ”はなぜ存在しているのか。池田氏によると駅ナカ、駅地下、ビルの中、繁華街といったように、多くの客数を見込めるのだが、テナントの面積の都合で狭い店舗を出店することもあるという。面積の小さな店舗は、飲料、弁当、サンドイッチといったように、そのエリアで特に売れる商品を中心に扱うことで、棚効率を上げて利益を出すようにしている。
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