コラム
» 2018年09月28日 06時45分 公開

働き方の習慣を変えよう:あなたの残業、本当に必要ですか? (1/4)

かつてメーカーに勤務していた筆者は、残業と休日出勤が定常化していた。疲労感を抱えながら仕事をすると、集中力は低下し、生産性は落ちていく。その結果、さらなる長時間残業に発展していくという悪循環だった。全ての原因は「働き方の悪い習慣」の積み重ねだったという……。

[古川武士,ITmedia]

本記事は、書籍『成果を増やす 働く時間は減らす 高密度仕事術』(著・古川武士、かんき出版)の中から一部抜粋し、転載したものです。


 15年前に総合電機メーカーで情報システムの営業職として働いていたとき、私は遅い日は、会社で深夜2時まで仕事をしていました。職場全体も23時までは多くの人が残業していました。

 他部署からの問い合わせやトラブル対応などから解放されて、自分の仕事に集中できるのは21時以降。そこから夜中の2時まで残業し、翌朝は10時に出社。さらに土日のいずれかは半日出社して、膨大な量の仕事を処理していました。

残業、休日出勤の繰り返し。そんな働き方になっていませんか……?(写真提供:ゲッティイメージズ) 残業、休日出勤の繰り返し。そんな働き方になっていませんか……?(写真提供:ゲッティイメージズ)

 やってもやっても終わらない業務に辟易としながら、「繁忙期だから……」と自分に言い聞かせて働いていましたが、あるとき先輩から「残業がクセになっているね」「休日出勤も習慣になっているな」と言われました。

 最初はムッとしましたが、確かにズバリその通りでした。

 このころの私は、月曜日から金曜日までに仕事を終わらせる緊張感と集中力を失って、土日で帳尻を合わせるという悪い習慣が身に付いていました。21時にならないと自分の仕事には集中できないと決めつけて仕事をしているため、閑散期でも退社時間が遅くなっていたのです。

 疲労感を抱えながら仕事をすると、集中力は低下し、生産性は落ちていきます。その結果、さらなる長時間残業に発展していくという悪循環でした。

 先輩の指摘の通り全ての原因は「働き方の悪い習慣」の積み重ねだったのです。

 そこで、この悪循環から脱出すべく、私はまず退社時間を21時と決めて、「休日出勤禁止」という目標を自分に課しました。その分、朝は10時にダラダラと仕事をスタートするのではなく、7時半に出社するようにしました。

 最初は大量の残務を抱えたまま退社する不安に悩まされましたが、しっかり寝て翌朝の高い集中力で仕事を終わらせるリズムを習慣化させることで、1カ月もすると21時退社、休日出勤ゼロを実現することができました。さらに仕事の密度を高め、最終的に19時退社のリズムをつくることができました。

 さらに生産性を高めるべく、できる人がどのような仕事の進め方をしているのかを直接聞き、会議などでダラダラと世間話をするのをやめて、スキマ時間を上手に活用して必死に仕事を処理していきました。

 その結果、月の残業時間は60%カットできた上に、1年間の営業の成果は逆に向上したのです。働くときは懸命に働き、遊ぶときは遊ぶ。そしてしっかり寝るという好循環が回り始めたのです。

 働く習慣を変えるのは簡単ではありません。しかし、習慣が変われば、恒常的に高い生産性が実現でき、ワークライフマネジメントもうまく回ります。

 今、働き方改革ブームの関係で、いわゆる「時短本」は書店で所狭しと並び、雑誌でもたくさんの特集が組まれています。しかし、テクニックのみを求めて手法を真似するだけでは、対症療法に留まり、「働き方」という根深い習慣は変えられません。

 根本的なワークスタイルを変えたいと望まれるならば、働き方の習慣を変えることが最高の方法だと私は考えます。

 私は、習慣化コンサルタントとして、多くの企業の働き方改革に現場レベルで深く携わっており、その数は380社、2500人を超えています。

 その経験から断言できることは、「長時間残業と生産性の低さは、働き方の習慣の結果である」ということです。

 下記の図の通り、働き方の習慣には、個人の習慣と組織の習慣があります。本書で扱うのは、個人の習慣です。長時間残業・低生産性を生み出す「悪い習慣」とは何か? 短時間労働・高生産性を実現している人の「良い習慣」とは何か?

「組織の習慣」と「個人の習慣」 「組織の習慣」と「個人の習慣」

 これらを1つ1つ言語化し、悪い習慣から抜け出す解決としての良い習慣を比較形式でまとめました。「高密度仕事術」は、働き方の習慣を変える体系的なメソッドであり、私が実際に携わった多様な職種のビジネスパーソン、多くの企業での働き方改革で使っている手法です。

 本書で繰り返し強調しているのは、「時短(単なる残業削減)」ではなく、「高密度化(日常的な生産性向上)」です。

 仕事の高密度化とは、成果を高めながら、日常業務を圧縮(効率化)していくこと。単なる時短は、残業時間の削減だけに焦点を当てますが、この結果、仕事の成果も下げてしまっては本末転倒になります。

 会社も自分もwin-winの状態とは、仕事の密度を日増しに高め続け「仕事の成果」と捻出した自分の時間で「心の豊かさ」を両立できる状態ではないかと私は考えます。

※「仕事の高密度化」「高密度仕事」は、習慣化コンサルティング株式会社の登録商標です。

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