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ガンダムの「姫」、セイラ・マスはなぜ投資で成功できたのか?元日銀マン・鈴木卓実の「ガンダム経済学」(4/5 ページ)

» 2018年10月30日 06時30分 公開
[鈴木卓実ITmedia]

 投資の世界に100%はなく、常にリスクがつきまとう。また、想定外のことが起こる不確実性も拭い切れない。こうした状況で勝負することができるかどうかは、保有資産や流動性といった金融面の状況だけではなく、個人の性格・リスク選好にも大きく左右される。

 女性の権利意識が強く、社会進出が進み、米ハーバード大学や米イエール大学といった名門大学で学生の男女比がほぼ半々の米国でも、選挙という水物がある政治家や、不確実な状況下で多額の金銭を賭けて意思決定することになる投資家には女性が少ない。同じような勝率・期待値でも男性の方が勝負に打って出る傾向が強いのだ。

米ハーバード大学(写真提供:ゲッティイメージズ) 米ハーバード大学(写真提供:ゲッティイメージズ)

 「いい反応だ。だが向こう見ずでもある。パイロット気質だな」

 「機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096」(第6話その仮面の下に)におけるフル・フロンタルの言である。MS(モビルスーツ)パイロットのリスクテイク傾向が高いことを端的に表現していると言えよう。アムロやジオン軍エースパイロットの前では霞んでしまうが、セイラはパイロットとしても、最前線を生き残った判断力の持ち主だ。

 性格的には気丈で男勝りの面がある。また、パイロットもオペレーターもこなしている。現代でも航空管制官は男性が多い職場だが、ミノフスキー粒子散布下でレーダーが機能しない状況下で、光学監視を軸に、上下・前後・左右360度を把握できるのは際立った空間認識能力のお陰だろう。

 全般的に見ると、セイラは男性ホルモンが多いのだろう。男性ホルモンと各分野における才能、そして薬指の長さ(人差し指と薬指の長さの比)に関する研究が増えており、男性ホルモンが多い人ほど、投資に向いているようだ。作品中では確認できないが、セイラの指比が気になるところである。

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