大石: 名産品コーナーで人の動きを見ていると、価格を見ずに購入されているケースが多いんですよね。欲しいモノがあれば、カゴの中にどんどん入れていく。他店と同じ価格で販売しても、お客さまは「ドンキで買ったほうが安いはず」と勘違いして、購入するかもしれません。そうなると、お客さまだけでなく、他店にも迷惑をかけることになる。こうしたこともあって、販売することはできません。
土肥: 施設内では名産品だけでなく、さまざまな商品を扱っていますよね。例えば、コンビニもありますが、そこで販売している商品にも気を使われているのですか?
大石: はい。他店で販売しているモノと、できるだけバッティングしないようにしています。そうした状況の中で、私たちは何ができるのか。たくさんの縛りがあるなかで、考えていかなければいけません。
土肥: 後発組のつらさ、といった感じですね。
大石: これまでのドンキとは違って、さまざまな制約があります。売り場面積は狭く、商品数は少ない。培ってきた知見をなかなか生かすことができず、仮説はよく外す。他店で販売しているモノに、配慮して商品を並べなければいけない。それでも、この店を運営するのは、おもしろい。
土肥: どこがですか?
大石: 仮説を立てて、実際に売ってみて、検証する。そして、また仮説を立てる。これを繰り返すことで、たくさんのデータを取得できますよね。そして、ここで得た知見を、いつかドンキの他店で生かすことができればなあと考えています。
(終わり)
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