長野、内海――。功労者2人を“引き算”した、巨人・原監督の大誤算赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2019年01月10日 11時11分 公開
[臼北信行ITmedia]

ジャイアンツ史上初の失態

 巨人の有力OBは「今回の一件は原監督の求心力まで低下させてしまうかもしれない」と警鐘を鳴らした上で、次のように続けた。 

 「内海だけでも『何でリストから外したのか』とワーワー言われていたのに、長野まで同じ形で獲られてしまったわけですからね。想定外のことが同じオフの間に1度ならず2度も起きた。彼ら2人は精神的支柱であり、グラウンド外でも重宝されるまとめ役的な存在。そんな生え抜きの功労者2人が人的補償で同じ時期にチームを去るなんてジャイアンツ史上初の失態と断言できる。いわば、まさにダブルパンチのダメージで黒歴史の出来事として後世に語り継がれるはずだ。

 FAで丸と炭谷の獲得を指示した原監督がプロテクトリスト作成にも携わっていたとなれば、チーム内で指揮官に対する不信感が今後一気に広まったとしても何ら不思議はない。FAで選手を獲ることばかりウエイトを置いて目先のことばかり考えていたがゆえに、甘い読みが災いして相手から足元を救われてしまった。まさに本末転倒となってしまいそうな気配だ」  

 チーム内以外から厳しい眼差しを向けられるのは、丸と炭谷も同じだ。長野と内海を人的補償で奪われたことにより、両ベテランを慕っていた選手たちからは口にこそ出さないまでも内心で「アンタたちがウチに来たから、あの人たちが出て行くハメになったんだ」と複雑な思いを抱かれ、微妙な距離感が生じてしまうかもしれない。そうなれば、丸も炭谷も新天地がかなりやりにくい環境になってしまうのは必至だ。チーム内からも、不安感いっぱいの言葉が漏れ伝わってくる。

 「実は新たに加入する移籍組の選手たちをいつも裏側でサポートしていたのが、長野と内海だった。長野は歓迎会を催すなどして、チームメートたちと移籍選手の親交を深めることに尽力していた。

 同じように内海も新加入の投手に必ず声をかけ、他の面々とともに飲みに誘うことをルーチンワークとしていた。そういう重要な役割を果たしていたベテラン2人が大型補強の“ツケ”によって不在になってしまうのは、何とも皮肉な話だ。今オフは大勢の新加入選手が入ってくるにもかかわらず、その橋渡し役たちがいないのだからチームはバラバラになってしまうのではないか」

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