なぜ日本のプロ野球選手に、愛煙家が多いのか赤坂8丁目発 スポーツ246(1/5 ページ)

» 2018年12月14日 07時39分 公開
[臼北信行ITmedia]

 あらためて言葉に力がある人だなあと思った。巨人の新指揮官になった原辰徳監督だ。

 時々暴走してヘンな日本語になっている点には目をつぶるにしても、やはり前監督と違って一語一句に重みと説得力があるからメディアに大きくクローズアップされる。自身の野球殿堂入りを祝う会で、安倍晋三首相や渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆らを前に力強い言葉とともに感謝の意を口にし、広島東洋カープからFAで移籍してきた丸佳浩外野手の入団会見でも同席して、熱弁を振るう姿は確かに見聞きする人たちを大きく引きつけた。

 ただ、ここ最近の発言の中でも個人的に「原さんらしいなあ」と感じたのは、10月23日の再々就任会見でのコメントだ。今季若き主砲として4番に定着した岡本和真内野手について「まず、タバコをやめることだね。彼、タバコを吸っているらしいね」と言い放った。

(写真提供:ゲッティイメージズ)

 プロ野球界で喫煙者の実名を明かすのは基本的にタブーとなっているとはいえ、声の主が巨人の指揮を執る原監督とあれば、指摘された側の岡本も観念するしかない。ちなみに原監督は元愛煙家だったが、ひと昔前にタバコ断ちに成功。今はタバコの煙そのものを毛嫌いするようになっている。

 かつての第二次政権時代、原監督は東野峻という当時伸び盛りの若き右腕に禁煙指令を出したことがある。しかし東野は結局禁煙できず、「やめないことも勇気」という難解かつ強気な反論を公にしたばかりか、成績も低迷したため原監督からも見切られた。その後はタバコ断ちを果たしたものの、目立った活躍は残せず、他球団を渡り歩いた末に29歳の若さで引退した。

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