なぜ日本のプロ野球選手に、愛煙家が多いのか赤坂8丁目発 スポーツ246(2/5 ページ)

» 2018年12月14日 07時39分 公開
[臼北信行ITmedia]

いまだ「ヤニの悪臭と煙」が漂ってくる

 原監督の岡本に対する禁煙指令は、世の流れから考えても至極真っ当だ。今夏、国で受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が成立した。東京都でも都独自の受動喫煙防止条例が2019年1月1日から段階を踏む形でスタート。大阪府など他の自治体でも関連する条例が成立、もしくはすでに施行されている。

 20年に開催される東京五輪・パラリンピックを前に政府や各自治体は「禁煙化」を推奨しようとしているにもかかわらず、参加種目となっている野球で活躍するスター選手たちの間から、いまだ「ヤニの悪臭と煙」が漂ってくるのはナンセンス極まりない。

 厳密に言えば、日本プロ野球界は「禁煙」の問題から目を背けている。例外なのは横浜DeNAベイスターズくらいだろう。12年の球団買収後、新しいフロント陣が愛煙家の選手たちに「人前では吸わない」という新ルールを徹底させ、若手たちには禁煙を強く勧めた。

 以来、新入団選手に対しては禁煙を完全に義務化させている。「買収前のベイスターズは低迷続きだったが、ここ数年上がり目になって優勝を狙える戦力が整ってきたのは、球団の禁煙化も功を奏している」という分析はあながち的外れではない。

 ただ、DeNAの英断から6年が経過したが、残念ながらプロ野球界に「禁煙」は浸透していない。プロ野球界で全選手の約4割が喫煙者という声もあるが、その数字はかなり少なく見積もっているような気がする。現場で取材している個人的な見解として、全体の半数以上は吸っているのではないかという印象を受けている。

 ついこの前のクライマックスシリーズや日本シリーズでも取材に行くと、ベンチ裏でプカプカとうまそうにタバコをくゆらせている主力選手たちやスタッフを数多く見た。名前はあえて挙げないが、その中には侍ジャパンにも名を連ねる主力選手もいたことだけはヒントとして触れておく。

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