いきなりだが、時計の針を4年ほど巻き戻す。
2015年、場所はスイス北西部にあるバーゼル。ここで世界最大級の腕時計見本市が行われたわけだが、カシオ計算機のブースでちょっと気になる一品が登場した。ピカピカに輝く「G-SHOCK」である。
「ピカピカに輝く」と表現したが、大げさに書いたわけではない。ケースやベルトなどが金でつくられていて、いわゆる“フル金無垢”なのである。非売品として出品したところ、「売ってくれないか?」「いくら出せば買えるの?」といった声があったものの、商品化テストなどを行っていないこともあって、発売は見送ることに。
次に、時計の針を3年ほど進める。フル金無垢モデルは世に出すことができなかったが、外装をステンレスにすれば商品化できるのではないかと考え、18年4月に、G-SHOCK初のフルメタルモデル「GMW-B5000」(6万円〜、税別)が登場した。
フルメタルモデルを店頭に並べて、どうだったのか。あれよあれよという間に売れて、すぐに売り切れ。入荷待ちの状態が続き、今年9月までの生産計画を2倍に増やしているのだ。
これまでになかったG-SHOCKは、どのようにしてつくられたのか。また、G-SHOCKの冠が付いた商品はたくさんあるなかで、なぜこのモデルは支持されたのか。時計の針を1年進めて、19年7月、同社で商品企画を担当している泉潤一さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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